バルーンアートが魅せる多様性の美
2025年9月11日、ニューヨーク・マンハッタンの「The Glasshouse」で行われた「New York Fashion Week 2026SS」で、バルーンアーティストの神宮エミが最新コレクション「DIVERSITY」を発表しました。このコレクションでは、障がいや病を抱える9名のモデルたちが、自らの個性と命の美しさをバルーンデザインで表現しました。
コレクション「DIVERSITY」の背景
「DIVERSITY」というタイトルには、多様性を美しさとして受け入れる意義が込められています。神宮エミは、バルーンという儚い素材を用いて、ひとりひとりが持つ唯一無二の輝きを可視化しました。バルーンは永遠には残らないものですが、その瞬間の美しさを強調することで、命の尊さを表現しているのです。
今回のショーには、車椅子ユーザーや義足モデル、病を抱えるモデルなど多様なバックグラウンドの9名が参加し、それぞれが自らの物語を反映したドレスを身に纏いました。これにより、多様性の真髄が体現されたランウェイとなりました。
ランウェイでの個性の表現
神宮は、参加するモデル一人ひとりと対話を重ね、その人に合わせた衣装をデザインしました。これにより、各モデルの身体性や個性が尊重され、誰もが自分の物語を語るかのようなフィナーレへと繋がりました。
例えば、13歳の中国系アメリカ人モデルZiaは、独自の皮膚の特徴を生かした透明なバルーンで作られたルックを披露し、その個性を強調しました。また、Kaitlinは、脊髄髄膜瘤の影響により車椅子を使用する中で、温かな気持ちを表すデザインを披露しました。このように、モデルたちそれぞれの背景とメッセージが、大きな感動を呼び起こしました。
幻想的な空間とフィナーレ
照明に照らされたバルーンの光沢とその揺らぎは、会場を幻想的な空間に変え、観客の視線を釘付けにしました。バルーンが放つ輝きは、単なるファッションの域を超え、「命の鼓動」を映し出す作品へと昇華されていました。ショーの終盤では、観客からの拍手が場内に響き渡り、温かい雰囲気に包まれました。
デザイナーの想い
神宮エミは、バルーンの儚さとその瞬間に持つ圧倒的な輝きに感動し、今回のコレクションに取り組んできたと語っています。彼女は、この挑戦を通じて「命のきらめき」を可視化する重要性を再認識しました。
「多様性が持つ力をファッションを通じて表現することで、人々に希望を届けたい」との決意を語り、今後の活動へとつなげる意欲を示しました。
これからの挑戦
神宮は今回の経験を経て、さらなる挑戦へと進んでいく意向を示しています。彼女は「多様性」と「いのちの輝き」をテーマにした作品を通じて、ファッションを超えた社会的メッセージを発信し続けることを誓い、今後の展望に期待を寄せています。
ブランド紹介
EMIJINGUは、2017年に設立されたバルーンアートのプロジェクトです。デザイナーの神宮エミは、バルーンを通じて強さと繊細さを表現し、その一瞬の輝きを追求しています。彼女の創造性は、アート・ファッションの世界を超え、社会的な意義を持つ作品へと進化しています。
今回のNYFWのショーは、その成果を感じ取ることができる一大イベントであり、神宮エミのさらなる活躍に期待が寄せられます。