国や文化の壁を越えるU-30クリエイターたちの挑戦とは
2023年の4月28日と5月5日に発行される合併号では、30歳以下のクリエイターたちにスポットライトを当てた特集が組まれています。この企画は年々人気が高まり、今回も『ビヨンド バウンダリーズ(越境するクリエイティビティー)』というテーマのもと、国籍やジェンダー、文化を超えて様々な表現を行う18人の若手アーティストに焦点を当てています。
特集では特に、6人のU-30クリエイターを集結し、彼らの個性を表現したカバーイメージを制作してもらいました。巻頭では、彼らのバックグラウンドや表紙デザインに込めた思いを深堀りしています。クリエイターたちが思い描く「越境するクリエイティビティー」とは、単に国や文化を超えるというだけでなく、固定観念の枠を飛び越えて新しい表現を生み出すこと。これが彼らの共通の志向であります。
続いて紹介されるのは、注目を集めるクリエイターたちです。1ミリのタトゥーを彫るアーティスト佐藤はなえ、若手ブランド専用のプレスルームを運営する菅内のどか、ファッションから映像まで幅広く活動する夏明豊など、個性的な力量を持つ4組がクローズアップされます。また、パンデミックやデジタル環境の急変に適応し、音楽やファッション、映像において新しい表現を追求するU-23世代の実績についても言及。文筆家つやちゃんが独自の視点で彼らの「今を」解析しています。
さらに特集のフィナーレとして、日本でのキャリアを確立した後にロンドンへ移住した3人のクリエイターによる座談会を実施。このディスカッションでは、なぜ若い才能がロンドンに魅了されるのか、SNSが現地での活動にどのように影響を及ぼしているかについて掘り下げます。彼らの話からは、クリエイターとしての生活や移住の現状が浮き彫りになっており、新世代のアートシーンと移住の関連を知る貴重な機会となることでしょう。
トランプ関税が影響を及ぼす高級時計市場
特集のもう一つの目玉として、スイス・ジュネーブで行われた高級時計の展示会「ウォッチズ・アンド・ワンダーズ・ジュネーブ2025」があります。このイベントに参加した時計ライター渋谷ヤスヒトさんは、現地でのトレンドを基に、現状の時計市場をレポートしています。特にトランプ大統領が引き起こした相互関税の影響を受けた高級時計ブランドの中で、どのように存在感を示しているのか、数々の時計が紹介され、業界の動向を伺うことができます。
万博のB面を知る
巻末では大阪・関西万博に焦点を当てた「ファッション&ビューティパトロール」が登場。実際に万博を訪れた業界人によって、他メディアでは扱われない万博の裏側が紹介され、訪れる際の新たな視点が提供されます。新たな文化交流の場として期待される万博の魅力に迫る内容となっています。
ロート製薬の進化する挑戦
別冊「WWDBEAUTY」では、1899年に創業し、医薬品だけでなく、スキンケア市場でも躍進を続けるロート製薬の現在が特集されています。「われわれはスキンケアカンパニーになりたいわけではない」という山田邦雄会長の言葉が響きます。スキンケアは同社の事業の手段の一つに過ぎず、彼らが目指すのは「心と体の健康」、そして「社会の健康」を実現すること。そのために食、農業、再生医療など多角的に挑戦を続けている姿勢が、紙面では詳しく紹介されており、業界の枠を超えた成長戦略の全容が明らかにされます。山田会長をはじめ、現場で活躍するキーパーソンたちのインタビューを通じて、ロート製薬の哲学や挑戦が多面的に理解される内容となっているのです。