伝統梨と現代の融合、三英堂の冬季限定和菓子『夜が明けるまで』

松江で40年間、宮中行事「歌会始の儀」の御題に基づく和菓子を提供してきた三英堂。この度、令和8年の御題【明】に寄せた限定和菓子『夜が明けるまで』が登場しました。冬季限定で販売されるこの和菓子は、ただのスイーツにとどまらず、希望と寄り添いの象徴として多くの人の心を打つ逸品です。

三英堂と御題菓の背景

三英堂は、島根県松江市に位置し、松江は日本三大菓子処の一つでもあり、茶道文化が色濃く残っています。江戸時代から続くこの地の和菓子文化は、自然の美や四季の移ろいを繊細に表現することで知られています。三英堂はその伝統を受け継ぎ、毎年この時期に御題菓を創作し続けており、松江では唯一の存在となっています。

今年の御題『夜が明けるまで』

令和8年の御題【明】からインスピレーションを受けた『夜が明けるまで』は、暗闇を越えて新しい希望の光へと向かうことをテーマにしています。特に、今の時代の不安定さを背景に、多くの人に「あなたは一人ではない」と伝えたいという願いが込められています。この和菓子を味わうことで、そんな思いを感じさせる存在となることを目指しています。

しののめ造りの技法

『夜が明けるまで』の特徴は、その美しさと味わいにあります。和菓子の意匠は、夜が明ける瞬間を表現し、三英堂伝統の技法「しののめ造り」により仕上げられています。この技法は、職人が熱いうちの複数色の餡を層に重ねて手で固めるものです。この美しい「色の重なり」は、まさに朝の光が差し込む瞬間を思わせ、見る人に感動を与えます。