宇宙をも味方にする資生堂のスキンケア技術
資生堂が2025年3月15日、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載される宇宙環境用スキンケアを発表しました。この新しいスキンケア技術は、地球の厳しい環境においても役立つ可能性を秘めています。
水に頼らない革新技術
宇宙環境では水が貴重な資源であるため、資生堂は「水に頼らない次世代スキンケア」の開発に着手しました。特に「Second Skin」技術を応用し、肌と一体化する人工皮ふを形成する美容液を開発。この技術は、過酷な宇宙環境でも肌の保湿を助け、すこやかな状態を保つことが可能です。
このスキンケア製品は、表面に気体透過性を持つ膜を形成し、その膜によって肌が持つ水分を保持します。さらに、この膜には洗浄効果があり、剥がすことで皮脂や古い角層も同時に取り除けるという便利さ。地球上でも減少する水資源に対応するための循環型の保湿機能が期待されています。
ISSでの用途と評価
宇宙飛行士の大西卓哉さんは、宇宙でのスキンケアについてこう語っています。「宇宙では水が非常に貴重です。しかしこのスキンケアは、肌が持つ水分で保湿ができるため非常に助かります。また、古い角層を取り除いてくれるのも驚きです。」
Second Skin技術の進化
資生堂の「Second Skin」技術は、2018年に米国のOlivo Laboratoriesから取得した特許技術です。この技術は、肌に密着し、凹凸を補正する人工皮ふを形成することで、美容の新たな可能性を広げています。目袋やたるみを目立たなくする機能のほか、スキンケアだけでなくメイクにも応用できる柔軟性があります。
未来のビューティーイノベーション
資生堂は、イノベーションを加速するためのR&Dの理念「DYNAMIC HARMONY」に基づき、既存ブランドの価値向上、循環型の価値創造、新領域への挑戦を進めています。また、外部機関との研究アライアンスを通じて新たな価値創造を図っています。これにより、地球上だけでなく宇宙でのスキンケアにも対応した製品の開発が進められています。
宇宙環境用スキンケアの導入により、資生堂は「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」という企業使命の実現に向けて、さらなる価値創出を行なう意向を示しています。
これからも宇宙と地球の両方で活躍する資生堂のスキンケア技術に注目していきたいですね。