新たなサステナブル素材「namino leather」の誕生
この春、多くのファッション愛好者やサステナビリティに関心を持つ方々に新たな選択肢が登場します。株式会社ニッスイが開発した「namino leather」は、完全養殖の黒瀬ぶりの皮をアップサイクルしたフィッシュレザーです。環境問題が叫ばれる中、サステナブルな素材を求める声は高まっており、「namino leather」はその答えの一つといえるでしょう。
黒瀬ぶりとは何か?
「黒瀬ぶり」は、親魚から採卵・孵化させた人工種苗を使用し、持続可能な方法で養殖されています。天然の稚魚を使わないこの取り組みは、近年の環境配慮が求められる現代において、特に注目されています。ニッスイの黒瀬水産株式会社が育てるこのブリは、宮崎県・鹿児島県の豊かな水域で育成され、加工工程を経て国内外に出荷されています。
フィッシュレザーの特長
「namino leather」は、この「黒瀬ぶり」の加工過程で出る皮を活用して作られています。通常は肥料として処理されていた皮が、革に生まれ変わることで新たな価値を生み出しました。この革の最大の特徴は、型押しではなく、本物のブリ皮による繊細なうろこの模様と滑らかな質感です。さまざまなファッション小物に加工できるその特性は、アパレルデザインの新しい可能性を指し示しています。
環境意識の高い選択肢としての位置づけ
最近では、多くのブランドが動物由来の素材使用を見直す中、代替素材へのニーズが急増しています。「namino leather」はその流れに乗り、動物に優しく、環境への負荷を軽減する製品開発を進めています。リサイクルやアップサイクルを通じた素材の尊重は、ファッション業界においても急務です。
高品質な国産素材
「namino leather」は、国内の専門タンナーの協力を得て、高品質なフィッシュレザーとして仕上げられています。製品は、うろこ一鱗の大きさや質感から、さまざまな用途に適しており、特にファッション小物やアクセサリー製品にぴったりです。また、トレーサビリティが100%確保されているため、消費者は安心して購入できます。
多様なラインナップ
「namino leather」には、さまざまな加工方法があり、「黒瀬」、「白波」といったラインが揃っています。かつては無駄とされていた皮が、見事にファッションの一部として再利用されています。さらに、用途に応じてオリジナル加工も可能です。
未来志向のビジョン
ニッスイグループは、「Good Foods 2030」という長期的なビジョンのもと、サステナブルな経営を推進しています。脱炭素社会の実現に向けて、CO₂の削減やフードロスの改善に取り組みつつ、フィッシュレザーのような新しい資源の活用を目指しています。「namino leather」はこの目標達成の一翼を担う革新です。
新技術とアイデアから派生した「namino leather」は、これまで見過ごされていた黒瀬ぶりの皮に新たな価値を与え、サステナブルな未来を監視するクリエイティブな選択肢として登場しました。今後のアパレル業界において、この動きがどのような影響を及ぼすのか、大いに期待が寄せられています。