第68回群像新人文学賞に輝いた綾木朱美さんと駒田隼也さんの魅力

第68回群像新人文学賞の結果が発表！

2023年5月7日、「群像」6月号が発売されるとともに、待望の第68回群像新人文学賞の受賞作品が発表されました。受賞したのは、神奈川県出身の綾木朱美さんによる「アザミ」と、京都府出身の駒田隼也さんによる「鳥の夢の場合」。これまでに多くの著名作家を輩出してきたこの文学賞で、新たな才能が光を放つ瞬間を迎えました。

受賞者の紹介

綾木朱美さん

- 略歴: 1995年生まれ、神奈川県出身。東京大学大学院を修了し、現在は会社員をしています。受賞時には、名前を応募時の綾木明美から改名しました。
- 作品「アザミ」: 複雑な日常を描いたこの作品は、新聞の校閲やニュースサイトのコメント欄に没入する主人公の日常を通じて、現代社会の一面を映し出しています。夢や頭痛、そして沈黙への恐怖を漂わせる中、スマホの中で炎上するアイドル「ミカエル楓」の存在が彼女に何をもたらすのか、読む者の心に問いかけます。

駒田隼也さん

- 略歴: 1995年生まれ、京都府出身。京都造形芸術大学を卒業し、現在は書店員として活動しています。
- 作品「鳥の夢の場合」: 物語は、主人公の初瀬が友人の蓮見の命を救うため、自らの意思を決定するまでの五十五日間を描いています。夢と現実が交錯し、独特の視点で語られるこの作品には、原初の感覚から目の前の世界を見つめ直す力が宿っています。

群像新人文学賞とは

群像新人文学賞は、1946年に創刊された文芸誌「群像」が主催している賞で、これまでにも多くの著名な作家や評論家を育んできました。受賞者には、賞状とともに賞金25万円が贈呈され、文学界に新しい風を吹き込む重要な役割を担っています。

今後の文学シーンに大きな影響を与えるであろう彼らの作品に、ぜひご注目ください。また、次回第69回の群像新人文学賞にも多くの才能が集結し、さらなる新星の登場が楽しみです。