PERSONZの41周年ツアーが魅せた不思議の世界とは?
今年、結成41年を迎えたPERSONZが、6月にリリースした23作目のオリジナルアルバム『WHAT A WONDER WONDERLAND』を引っ提げ、7月から全15本のツアーをスタートさせました。そして、9月の東京国際フォーラムCホールでのファイナル公演では、彼らの卓越した演奏力と幻想的なパフォーマンスが観客を驚かせました。
アルバムタイトルを直訳すれば「なんて素敵なワンダーランド!」となりますが、その名の通り、今回のライブでは「不思議の国のアリス」「オズの魔法使い」「眠れる森の美女」など、夢のようなモチーフを取り入れた楽曲がセットリストに組み込まれ、視覚にも訴える演出が際立ちました。観客はまるでワンダーランドの住人になったかのような体験をし、特別なひとときを過ごしました。
暗転とともに流れるのはアルバムのオープニング曲「ADVENTURE」。緋色の幕やトランプ柄の柱、アルバムブックレットそのままの衣装を身に纏ったメンバーが登場し、JILLが「ウェルカム トゥ ワンダーランド!」と叫ぶと、会場は盛大な拍手で応えます。続く「WONDERLAND」では、JILLが手に持ったトランプカードを投げ入れ、運良くキャッチしたファンがそのカードを掲げて盛り上がりを見せました。
さらに、2曲目「SLEEPING BEAUTY」では楽器チームの笑顔が印象的で、観客との一体感が随所で感じられました。JILLが力強く回転し、金髪が揺れる様子は、彼女の存在感を一層引き立てました。
「ROCK MY HEART」では、カウベルのビートに乗ってJILLがギターをかたどったカラフルなバルーンを持ち、ギターソロでは本田毅(G)との息の合った演奏が光り、遊び心あふれるパフォーマンスが続きます。「BE HAPPY」ではサビで観客とのコール&レスポンスが炸裂し、会場全体が一体感に包まれ、驚くほどの盛り上がりを見せました。
ライブの中盤では、メンバーがそれぞれのメッセージを語る場面もありました。本田は「LIVEでもPERSONZの魅力を見てもらえてると思います」と話し、藤田は「タフですからね!」と笑顔で話しました。渡邊が盲腸手術から復帰した話を披露し、JILLは昨年の40周年から続く勢いのある活動を振り返ります。
次に披露された「BLUE ROSES」では、青い光に包まれながら歌うJILLが印象的でした。彼女の言葉に込められたメッセージは多くの観客の心に響きました。その後も「HAPPY UNBIRTHDAY」や「MOMENTS」では、それぞれの物語が描かれ、観客は歌詞やメッセージに心を揺さぶられました。
曲が進むにつれて観客の盛り上がりも増し、JILLが手拍子で会場を巻き込んでいく姿は見事でした。「東京タワーであいましょう」では観客も一緒に楽しみ、JILLの「今回のツアーは非常に印象深かった」との言葉が会場に響きました。
後半は、ザ・バンドのエネルギーが満ち、特に「MAYBE CRAZEE-I Love You-」や「CAN’T STOP THE LOVE」ではその熱気が伝わり、観客もそれに応えるように手拍子や歓声を上げました。そこから繰り出される楽曲はすべてが抜群に楽しく、観客一人一人が盛り上がる瞬間が続きました。
アルバムのリリースと同時にツアーをこなしてきたPERSONZは、音楽の力で一体感を生み出し、ライブならではの感動を提供しました。「DREAMERS」や「SINGIN’ IN THE RAIN」では、個々のメッセージが観客に深く残り、サプライズの連続に大きな笑顔が生まれます。
最後にJILLが「夢はあきらめちゃだめ」と言い放ち、名曲「DEAR FRIENDS」で締めくくると、会場はみんなでシンガロング。彼らのパフォーマンス力とメッセージ性が絶妙に交わり、これからも続いていくPERSONZの冒険に期待が高まる姿勢が感じられました。
来年には47都道府県を回るツアーを予定するとのことで、今後の活動にも注目が集まります。PERSONZの音楽は、これからも多くのリスナーに愛され続けること間違いありません。