TOPPANが生み出したレトルト食品の新しいパッケージ
TOPPANホールディングスのグループ会社、TOPPAN株式会社が最近発表した新しいレトルト食品向けのパッケージが注目を集めています。この新しいパッケージは、すべてポリプロピレン(PP)で構成されたモノマテリアルパウチであり、エスビー食品が共同開発したレトルトカレー「未来のJAPANESE CURRY」に初めて採用されました。日本国内において、このようなパッケージがレトルト食品に使われるのは初めてのことです。
環境への配慮が革新を生む
今回の新パッケージは、従来のアルミ箔を使用した複合素材に比べてリサイクル性が大幅に向上しています。これは、モノマテリアル構成にすることで、包材のリサイクルがしやすくなるからです。また、パッケージ製造時にCO₂の排出量も約5%削減できるため、環境負荷の低減に寄与します。
「未来のJAPANESE CURRY」は、2025年8月3日に大阪・関西万博で展示・配布される予定です。この取り組みは、環境に配慮した「未来の食」として位置づけられています。
新しいパッケージの特長
1. リサイクル適性の向上
PPで構成されたパウチにすることで、リサイクルが容易になります。複合素材の包材は分別が難しいため、PP単一構成の利点は明確です。
2. 高いバリア性を実現
TOPPANは「GL BARRIER」シリーズを通して、透明バリアフィルムの開発に成功しました。この技術により、レトルト食品の殺菌処理にも対応した高い耐熱性と耐水性能を備えています。
3. CO₂排出量の削減
従来のアルミ箔を使用していた際よりも、包材製造時のCO₂排出を約5%削減できることが期待されています。これは、今後のモノマテリアルパウチのリサイクル技術や仕組みが確立されることで、さらなる削減が見込まれます。
持続可能な社会の実現に向けて
TOPPANは、サステナブルな未来を目指し、世界的な環境問題への取り組みを進めています。その一環として立ち上げたサステナブルブランド「SMARTS™」では、パッケージを起点とした環境適性の高い商品開発を行っています。今後、国内外に向けての拡販を進め、2030年までに約300億円の売上を目指します。
まとめ
未来のレトルト食品に対する新しいアプローチとして注目されているTOPPANのALL-PPモノマテリアルパウチ。持続可能な社会を実現するため、新たな選択肢として私たちの食卓にも広がることが期待されます。環境に優しいプロダクトが日常に浸透する中で、私たちも意識を変えていくことが求められています。これからの食品パッケージに、ぜひ注目してみてください。