500mgのラクチュロースでビフィズス菌の増加を確認！腸内環境の改善が期待される新研究

森永乳業が行った最新の研究により、腸内のビフィズス菌を効率的に増やすことが、わずか500mgのラクチュロース摂取で実現可能であることが明らかになりました。この研究結果は、2025年12月8日に『Functional Foods in Health and Disease』誌に掲載され、多くの注目を集めています。

研究の背景

腸内環境が全身の健康に与える影響が認識される中、腸内細菌のバランスを整える食事が重要視されています。特にラクチュロースは、消化されずに大腸に到達し、ビフィズス菌を増やすプレバイオティクスとして知られ、飲料やヨーグルト、サプリメントとして幅広く利用されています。

これまでの研究では、健常成人を対象にした調査により2gのラクチュロース摂取が必要とされていました。しかし近年、ビフィズス菌がラクチュロースを効率的に利用できるメカニズムが解明され、少量でも効果が期待できる可能性が示唆されるようになりました。

研究の方法

本研究は、健康な成人男女78名を対象に行われ、ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験が実施されました。実施期間は2025年2月から4月の4週間で、対象者はプラセボまたは500mgのラクチュロースを含む食品を毎日摂取しました。その後、2週間の休止期間を経て、もう一方の食品を4週間摂取しました。

評価項目は腸内細菌の構成比（特にビフィズス菌）と安全性で、便を採取しDNAを用いて次世代シーケンサーで解析が行われました。

研究結果

実施の結果、ラクチュロースを摂取したグループでは、腸内のビフィズス菌の割合がプラセボ群と比較して有意に増加したことが確認されました（図1参照）。さらに、一般的に知られるプレバイオティクス摂取時の副作用であるお腹の不調は見られず、安全性も立証されました。

今後の展望

今回の成果により、500mgという少量のラクチュロースでも腸内環境の改善が期待できることが確認されました。一方で、高用量のラクチュロースはお通じの改善に効果的であると考えられます。これにより、消費者は自身の健康状態や悩みに応じて、ラクチュロースの摂取量を調整しやすくなり、持続可能な健康維持が実現しやすくなるでしょう。

森永乳業は1960年にラクチュロースを配合した初の育児用ミルク『森永Gドライミルク』を発売以来、60年以上にわたり研究を続けてきました。これからもラクチュロースの可能性を探求し、より多くの人々に腸の健康を届けるための製品開発に注力していく考えです。

参考情報

- ラクチュロース: 牛乳に含まれる乳糖を基に作られる、難消化性オリゴ糖。ビフィズス菌の増加や便通改善などの効果があります。
- 論文情報: 「Ultra-low-dose lactulose modulates the gut microbiota in healthy adults: a double-blind, randomized, placebo-controlled crossover trial」
- プレバイオティクス: 腸内の善玉菌を助ける難消化性食品成分で、健康をサポートします。

今後もラクチュロースに関する新たな研究成果に目が離せません！