豆腐業界の老舗ヤシマ食品、新たなリーダーシップで未来へ

ヤシマ食品が新たな一歩を踏み出す

神奈川県横浜市に本社を構えるヤシマ食品株式会社は、1951年の創業以来、高品質の豆腐製品を提供してきた老舗企業です。最近では、原材料費の上昇や激しい価格競争が影を落とし、創業家である加藤兄弟は新たな後継者を探していました。そんな中、National Search Fund株式会社（NSF）、横浜銀行、Icon Capital株式会社の協力を得て、事業承継を決断しました。

新しいリーダー高橋勲氏

2024年10月1日付で、金融業界を経てスタートアップのCXOとして経験を積んだ高橋勲氏が新たな代表取締役に就任します。東京大学農学部を卒業後、数多くの企業で成功を収めた高橋氏は、豆腐とのつながりも深く、主食としての豆腐を愛用し、地域のブランディングプロジェクトでも活躍してきました。このような経験から、彼はヤシマ食品に新たな息吹を吹き込むことを期待されています。

事業承継を支える発想

事業承継の背景には、加藤兄弟が築いてきた伝統と技術を守りつつ、新しい風を取り入れたいという想いがあります。高橋氏は次のように述べています。「豆腐という日本の伝統食品にイノベーションをもたらし、健康志向や植物性タンパクに注目が集まる中で、その可能性を大いに引き出し、地域に根ざした革新を進めていきます。」

中小企業の未来を見据えて

さらに、NSFと高橋氏は、中小企業が日本経済を牽引する「セカンド・スタートアップ」となるべく、新たなビジネスモデルを実証していく方針です。大企業による寡占が進む中で、進化した経営モデルを採用することで、地域性を大事にしながらも持続可能な成長を目指します。

Icon Capitalとの協業

今回の事業承継においては、Icon Capitalが株主として参画し、従業員への株式付与によって次世代の経営メンバーを育成する「従業員承継型の投資」を導入します。この取り組みにより、優秀な人材の育成と確保を目指し、経営力を強化する基盤を築いていきます。高橋氏は金融出身の経験を活かし、適切な報酬設計を通じて、企業としての成長をサポートします。

高橋氏のビジョン

高橋氏の豊富な経営経験を元に、ヤシマ食品はこれまでの伝統や技術を大切にしながらも、革新をもって地域社会に貢献していく決意を示しています。新社長として彼が持つビジョンは、従業員を中心にした経営改革と地域密着型のビジネス展開です。高橋氏の力強いリーダーシップの下、ヤシマ食品はさらなる進化を遂げることでしょう。

関係者の期待と協力

ヤシマ食品の取締役であり前社長の加藤晴久氏は、新しい体制に対する期待を語りながら「新社長の高橋に新しい風を吹かせていただきたいです。これまでの技術や伝統を大切にしつつ、新たな道を切り開いていくよう全力を尽くします」と述べています。元副社長の加藤修義氏も同様に、「新たな挑戦には厳しい道のりも伴いますが、現場との橋渡し役として支えていきます」と語り、一丸となって新展開への期待を高めています。