日清製粉が新たに開発したパスタ向け小麦品種「芽系21001」
日清製粉株式会社は、農研機構と共同で新しいパスタ向け小麦品種「芽系21001」を開発しました。この小麦は、今後の国産パスタの普及に寄与することが期待されています。特に、強い生地感とプリッとした食感、さらに濃い黄色を持つことで、デュラム小麦に近づいた高品質なパスタの実現が注目されています。
開発の背景
実際、パスタを製造するためには、通常デュラム小麦を使用することが一般的ですが、日本の気候においては安定的にデュラム小麦を生産するのが難しいという課題がありました。そのため、日清製粉と日清製粉ウェルナは、農研機構と連携し、穂発芽耐性や赤かび病への抵抗性を兼ね備えた国産小麦の開発に取り組むことになりました。
その結果、穂発芽耐性が良好で、赤かび病にも強い「芽系21001」が誕生しました。この品種は、デュラム小麦に匹敵するような食感と濃厚な黄色みを持つため、国産パスタの製造に最適です。
新品種の特徴と利点
「芽系21001」は、「キタノカオリ」を用いた穂発芽耐性に優れた系統で、「勝系154号」と交配することで開発されました。この新しい小麦は、製粉して得られる小麦粉が強い生地感を示すと共に、乾燥パスタとしても優れた質感を保ちます。
北海道の農業研究センターによる生産力検定試験の結果は、パン用小麦「ゆめちから」並みの収穫量を期待でき、穂発芽耐性や赤かび病抵抗性についても優れた性能を示しています。これにより、将来的には国産小麦を用いたパスタの生産がより一層進むことでしょう。
期待される影響
「芽系21001」を原料としたパスタは、デュラム小麦に近い品質で製造され、消費者にとっては安全性と安定性の向上が見込まれます。このように、優れた品質を持つパスタの普及は、国産小麦の需要向上にも寄与し、農業と食品産業の発展に繋がることが期待されます。
今後は、試作栽培を行い、早い段階で国産パスタとしての製品化に向けた取り組みが進められる予定です。これにより、消費者が手に取れる国産パスタの選択肢が増え、パスタ業界全体に新たな風をもたらすことでしょう。
まとめ
日清製粉が開発した「芽系21001」は、未来の国産パスタの基盤を築く重要な存在です。私たちの食卓に新たな価値をもたらすこの小麦が、どのような形で私たちの身近な存在になるのか、その動向から目が離せません。さあ、これからの国産パスタの展開に期待しましょう!