抗がん治療を支える食事・栄養情報を冊子で提供する取り組み

近年、がん治療中の食事や栄養が治療効果に与える影響が注目されています。オイシックス・ラ・大地株式会社の「ヘルスケアOisix」は、抗がん剤療法中の方々に向けた食事サポートを提供するため、医療関係者の意見をもとに作成した「食事と栄養に関する情報冊子」の配布を開始しました。2025年5月29日から全国の医療機関で無料配布されます。

食事と栄養の重要性

抗がん剤治療には、栄養状態が重要であることが多くの研究から示されています。健康的な食事を維持することが、治療の成功に繋がることが明らかになっています。アメリカのがん患者向けガイドラインでも、治療中やその後の適切な体重維持や健康的な食事が推奨されています。

実際に、抗がん剤治療を経験した30代から60代の300名を対象に調査を行った結果、51%の方が治療中に食事で困難を感じたと報告しました。具体的には、食欲不振や吐き気により食べられる量や種類に制限を受けることが多いとされています。患者さんたちは、抗がん剤治療中の生活の変化や対策についての情報を求めていますが、その相談を医療関係者にした方はわずか21%に過ぎません。この状況を受け、オイシックスはすべてのがん患者さんに必要な情報を届けることを目指しています。

医療関係者の声

医療従事者からは、「治療前から栄養状態を意識してほしい」という意見が多く聞かれますが、患者が治療に専念するあまり食事のことを考えられないという現実もあります。また、治療の副作用なに対する対策が多くなり、食事の重要性が見落とされがちです。このような状況を改善するために、オイシックスの冊子が役立つことを期待しています。

食事と栄養情報冊子の内容

オイシックスの情報冊子は、がん治療中の患者さんとその家族が知っておくべき食事と栄養の基礎知識をわかりやすく解説しています。治療中の体調の変化やそれに応じた食事の工夫、血液検査の数値を活用した栄養状態の把握、さらには炎症や抗酸化作用に優れた栄養素についても詳しく触れています。特に、副作用を軽減するための具体的な食事提案も多く盛り込まれています。