映画館で感じるバレエの魔法
9月19日から公開されるロイヤル・バレエの新作『バレエ・トゥ・ブロードウェイ』。この作品では、若手プリンシパルのカルヴィン・リチャードソンがダンスを通じて表現する新しい魅力が引き立っています。特に彼が踊る『トゥー・オブ・アス(ふたり)』では、ジョニ・ミッチェルの名曲を背景にしながら、洗練されたパフォーマンスを魅せてくれます。
プリンシパルへの道のり
昨年プリンシパルに昇進したカルヴィン・リチャードソンは、これまでに『ロミオとジュリエット』や『シンデレラ』などの役を演じてきました。彼は役を通じて観客に届けるために、パートナーとの信頼関係を重視しています。このプロセスを通じて、舞台上でのパートナーシップがどれほど重要かを再確認し、演技には一体感が求められることを理解したのです。
「プリンシパル一年目は、ジェットコースターのようでした」と彼は語ります。「多くの感情が襲ってきて、様々な役を通じてダンスの新たな視点を得ることができました。」彼はまた、観客の温かい反応を特に大切にしていると述べ、ロイヤル・バレエが特別な存在である理由の一つだと強調しました。
振付家ウィールドンとのコラボレーション
『トゥー・オブ・アスの振付を手掛けたクリストファー・ウィールドン』とのコラボレーションも見どころの一つです。カルヴィンは「ウィールドンの独自の創造性が、私たちをより深くダンスの世界へ導いてくれた」と話します。彼は、ダンスの中での物語の語り方についても考察しており、観客と共鳴する瞬間がどれほど美しいかを理解しています。
個々の解釈と共鳴
ダンスの魅力は、個々の解釈の豊かさにもあります。公演後、カルヴィンは「お互いの解釈が異なる点が、この作品の美しさです」と言及しました。日々進化する彼の演技は、共演者との絶妙なハーモニーで成り立っています。
これからの抱負
今シーズン、カルヴィンは日本人バレリーナ高田茜と佐々木万璃子との共演を予定しており、これまでの経験を活かし新たな役に挑む機会が与えられています。特に、アルブレヒト役などの新たな役に対する期待を語ります。「大きな役を演じることはいつも夢のような体験です」と彼は心打たれた様子で話しました。
休息と趣味
舞台から離れた時間には、日本のアニメが大好きだと語るカルヴィン。彼の心を掴んだ作品は数多くあり、その中でも『千と千尋の神隠し』や『鬼滅の刃』が特に思い出深いといいます。アニメは彼にとってのリラクゼーションのひとつであり、仕事の合間に美術や陶芸にも挑戦しているとのことです。
日本のファンへのメッセージ
最後に、カルヴィンは「日本のファンの皆様に感謝の気持ちを伝えたい」とメッセージを贈り、彼との交流を心待ちにしているファンへの期待を表現しました。このように、特別な最後のシーズンに挑戦する彼の情熱は、観客を惹きつけることでしょう。映画館で彼の舞台を体感することができるこの絶好の機会を、ぜひお見逃しなく!