中国の民間信仰を探る新しい方法
現代の文化探査には、デジタル技術が大きな役割を果たしています。その中でも特に注目すべきは、中国のSNSである「TikTok」です。このアプリを使用して、古くからの民間信仰や神々を巡る新しい形のフィールドワークが実現する時代が到来しました。2025年12月10日には、そんな新たなアプローチを示した書籍『中国TikTok民俗学スマホからはじまる珍神探訪』が発売されます。
チャーミングな神々が登場
本書は、中国各地で崇められている珍しい神々を探るルポタージュとして、その内容は非常に多彩です。特に驚くべきは、180点以上の美しいフルカラー写真が掲載されている点です。ページをめくるたびに、読者は珍しい神々の姿に引き込まれることでしょう。
著者の大谷亨氏は、中国民俗学の専門家であり、SNSを活用した民間信仰の研究が進んでいる現状を強く感じています。彼は「中国の民間信仰は盛況で、奇妙な神々が人々の信仰を集めている」と語っています。その言葉から伝わる、中国の信仰世界の奥深さを探求する気持ちが伝わってきます。
知られざるフィールドワークの手法
本書では、手軽にフィールドワークを行うためのツールとして、TikTokを挙げています。SNSを駆使すると、どこにいても多様な情報が手に入る時代です。この新しいアプローチにより、多くの人々が中国の信仰や文化を再発見し、自らも民俗学に触れる機会が増えることでしょう。
著者は、実際に珍神を探すための、「逆立ち張五郎」と呼ばれる神の足跡を追い、各地を訪れる様子を描写しています。その中には、ユニークなエピソードや地域の伝統が詰まっており、読者を飽きさせない工夫がされています。
第一章から第八章までの流れ
本書は、全八章から構成されており、それぞれの章には異なるテーマや神々が登場します。たとえば、「逆立ち張五郎を探せ!」では、神の由来や人々の信仰の様子を描き、一方で「セクシー九尾狐に魅入られて」では、信仰とセクシーさが交差する不思議な文化についてもの言及があります。
さらに、「お盆フェスの聖と俗」では、中国のお盆における信仰の実態を暴き、「闇に惹かれる人々、増殖する無常」では、近年の無常信仰の広がりについて考察しています。
読者へのメッセージ
本書を通じて、読者は中国の多様な宗教的背景や現代の文化現象を体験し、楽しむことができます。ただの観光ではなく、地域の人々との交流や、彼らの思いを知ることができるのがフィールドワークの魅力です。この新しい民俗学の旅に一歩足を踏み入れ、自分自身の目で世界を見つめ直す機会を提供します。
最後に、この書籍は歴史と文化を愛するすべての人に向けて、特別な道を開くものです。ぜひ手に取って、中国の神秘と魅力に触れてみてください。