第24回『このミステリーがすごい!』大賞、受賞作品発表
2023年、株式会社宝島社主催の第24回『このミステリーがすごい!』大賞が発表されました。応募作品はなんと461点、その中から厳しい選考を経て、犬丸幸平氏の『龍犬城の絶対者』が栄冠を勝ち取ったのです。この作品は、1920年の中華民国を舞台に、元皇帝と日本人絵師の物語を描いています。
受賞の背景と作品概要
大賞受賞作品『龍犬城の絶対者』は、かつて紫禁城に住む元皇帝と水墨画の専門家として雇われた日本人絵師の一条剛の交流を軸にしています。元皇帝は、秘かに油断ならぬ計画を進めており、その中に関わる事件が次々と発生します。一条は元皇帝に仕えながらその陰謀に巻き込まれ、さまざまな謎を解き明かしていくことになります。
この作品は、ただのミステリーにとどまらず、歴史的背景や人間関係の複雑さを描くことで、読者に深い感慨を与えるものとなっています。選考委員たちからも、青年皇帝と日本人絵師との友情が描かれている点が高く評価されています。
文庫グランプリの受賞者たち
今年の文庫グランプリには、二人の才能あふれる作者も選ばれました。まず、宮島明道氏の『馬と亀』。こちらは小金井の警察署が舞台となり、若き刑事の成長と悪徳刑事との対照が描かれ、緊迫したストーリー展開が特徴です。
もう一方は、四島祐之介氏の『アナヅラ様の穴場』。この作品では、異形の者による誘拐事件が広がり、探偵が深い闇に挑む姿が描かれています。この二つの作品も同様に、2026年から書籍化予定で、多くの期待を寄せられています。
作家たちの背景
受賞者たちの経歴も印象的です。犬丸氏は1994年生まれで、約40の国を旅し、現職ではパキスタンで絨毯の買い付けを行っています。これらの体験は、彼の物語に様々なインスピレーションを与えているのでしょう。
また、宮島氏はもともとDJとして活躍し、文筆家としての新たな道を切り開こうとしています。四島氏も、広告やITの業界での経験を基に、独自の視点で物語を描いています。
掲載予定と今後の展望
受賞作は2026年1月から順次書籍化される予定です。『このミステリーがすごい!』大賞は今後も新たな才能を発掘し続け、ミステリー界のさらなる発展に寄与していくことでしょう。ミステリーの魅力を多くの読者と共有し、新たな作品が登場することに期待が高まります。受賞者たちの今後の活動にも目が離せません!
是非、彼らの作品を手にとって、その世界に触れてみてください。