舞台『チ。 ―地球の運動について―』、新たな演劇の地平を切り拓く開幕

舞台『チ。 ―地球の運動について―』がついに開幕

新国立劇場中劇場で、舞台『チ。 ―地球の運動について―』が初日を迎えました。この作品は、命をかけて地球の真実を探求する人々を描いた衝撃的な演劇です。原作は、魚豊による人気漫画で、2020年から連載が開始されるや否や、多くの読者を魅了しました。2021年には「マンガ大賞」でも第2位に輝き、さらにアニメ化も果たした話題作が舞台となり、どのように新たな魅力を引き出すのか、期待が高まります。

個性的なキャストが集結

豪華なキャスト陣が物語を彩ります。主人公オクジーを演じるのは、人気俳優の窪田正孝。彼が演じるオクジーは、地動説の真実に目覚める過程で得る成長と葛藤を繊細に表現しています。彼の肉体表現は、美しさと力強さを兼ね備えており観客を惹きつけます。

一方で、学問の道を追求するヨレンタを演じる三浦透子は、父親への愛情を歌声に乗せて表現することで、彼女の内面的な苦悩を浮かび上がらせます。さらに、グラス役の大貫勇輔や、ドゥラカ役の吉柳咲良、アントニ役の吹越満など、各キャストの演技にも注目が集まります。

テーマと演出の見どころ

本作は、科学と信仰、理性と情熱の対立をテーマにしています。地動説を巡る禁忌や異端審問を背景に、キャラクターたちがそれぞれの信念のもと、真実を求める姿が描かれます。演出を手がけるのは、アブシャロム・ポラック、脚本は長塚圭史が務め、様々なクリエイターたちが携わったことで、演劇だけでなく音楽やダンスも融合した新しい形式の舞台に仕上がっています。

また、観客のためのサポート体制も整っており、音声ガイドや字幕ガイドの貸し出しが行われます。側面からも観客に配慮した演出となっている点も魅力です。