高校生と共に進化する、日本最大級の災害対応キッチンカーが誕生

群馬県に位置する新田製パン有限会社は、災害対応の新しい挑戦を開始しました。近年の東日本大震災や台風19号、能登地震など、同社は数多くの被災地支援において、食の提供を通じて人々をサポートしてきました。そして2024年4月、群馬県立太田工業高校の電子機械化科3年生と共に、震災等の大規模災害に備えた大型キッチンカーの製作に取り組むことになりました。

災害に備えるキッチンカーの目的

新田製パンは、これまでの経験を生かし、災害時に数千人規模の避難所で温かい食事を提供できるキッチンカーを製作することを目的としています。特に、ライフラインが途絶えた地域でも活動できるよう、全長10メートル、高さ3.5メートルの大型車両を選定。電力供給を行うための大型発電機や、調理器具を装備し、活動員が数日間滞在できる環境を整える予定です。

学生たちの努力と成長

このプロジェクトには、群馬県立太田工業高校の生徒たちが深く関与しています。彼らは、キッチンカーの外装修理や塗装を行い、未経験者ながらも技術指導を受けながら学び成長しています。さらに、同校の授業の一環としてキッチンカー制作に携わることで、実践的なスキルを身につける貴重な経験を得ています。星野茂氏の呼びかけにより、多くの企業や教育機関がサポートし、学生たちはそれらの指導のもと、プロジェクトの一員として貢献しています。

支援の輪が広がる

群馬自動車大学校や京成自動車工業、関西ペイントなど、数十社がこのプロジェクトに協力。企業の技術力を借りることで、学生たちは確かな技術を学びながら、実際の制作に携わる貴重な時間を過ごしています。星野氏はこのプロジェクトを通じて、被災地支援への理解を広め、地域の人々に温かい食事を提供する意義を実感してもらいたいと考えています。

非営利活動法人新田フードサポートの設立

完成したキッチンカーの運用は、新田製パンが設立した特定非営利活動法人新田フードサポートが担当します。この法人は、災害時の対応だけでなく、平時には防災啓発活動や子ども食堂、さらにはパン作り教室などを行う予定です。大きな車両が地域社会にどのように寄り添えるかを考え、子どもたちにも優しい存在として活動していくことを目指しています。

私たち一人ひとりができる支援には様々な形がありますが、新田製パンの取り組みは、地域の未来を支える新たなモデルとなることでしょう。今後も彼らの取り組みに注目し、サポートを広げていきたいですね。