地方の水産会社が見せた新たな挑戦
最近、北海道の老舗水産会社、ヤマニ野口水産がTikTok Shopにおいて開設からわずか5か月で2,000万円の売上を突破しました。伝統的な業態を持つこの企業がSNSを活用することで、どのように販路を拡大したのか、その背景を探ります。
新しい販路の開設
ヤマニ野口水産は2026年2月8日にTikTok Shopをスタート。初月こそ118万円の売上にとどまっていましたが、翌月の3月には512万円に成長し、わずか73日で累計売上が1,000万円に達しました。その後も順調に成長を続け、5か月で2,000万円を達成するという驚異的なスピードを見せました。この成長は、従来のAmazonや楽天などのECサイトを大きく上回るものであり、TikTok Shopが同社の主要な販売チャネルとなったことを意味します。
成長の背景にあるSNS活用
この成功の秘訣の一つは、株式会社KASHIKAが提供するSNS運用支援ツール「2nd Buzz」にあります。このツールは、動画の再生回数やエンゲージメントデータを分析し、市場で受け入れられるコンテンツを提供しています。ヤマニ野口水産では、商品の魅力や加工場の臨場感を伝えるショート動画を定期的に投稿し、さらに約160名のクリエイターによる成果報酬型アフィリエイト施策を組み合わせて展開しました。これにより、多くの売上がオーガニックコンテンツから生まれ、広告への依存を抑えた効率的な成長を実現しました。
購買データが示す新たな市場
興味深いことに、購買者の大半は25〜34歳の男性であり、都市圏、特に東京都・埼玉県・神奈川県からの購入が多く見られます。これにより、北海道の水産加工品が首都圏の若年層に直接届く新たな流通構造が生まれたことが明らかになりました。このように新しい販路が構築されたことは、地方食品販売の変革の証です。
新たな販路モデルの展望
ヤマニ野口水産の成功は、単なる一企業の成果にとどまらず、地方食品の販売手法そのものの変化を示しています。かつては購入者が商品を探す必要があったところ、現在は動画コンテンツの中で偶然の出会いを通じて購入に至る「ディスカバリーコマース」が普及しつつあるのです。このモデルは、地方企業が地域の制約を超えて全国の消費者に直接商品を届ける可能性を与えています。
今後の展開と期待
KASHIKAとしては、今回の事例で実証された成功モデル「2nd Buzzのバズ解析×TikTok Shop」を、他の食品メーカーへも展開していく方針です。SNSを活用した販路拡大に課題を抱える中小規模の事業者に対して、データに基づく再現性のある運用支援を提供し続けることで、地方食品の新たな販路開拓に寄与していくことが期待されています。
このように、ヤマニ野口水産の成功は、地方食品販売の未来を切り開く一歩であると言えるでしょう。