新しいスイーツ体験
2025-12-18 14:45:42

食べられるガスマーブルがもたらす新たなスイーツ体験

食べられるガスマーブルがもたらす新たなスイーツ体験



大阪工業大学の藤井秀司教授が率いる研究チームは、身近な食材であるココアやカレーパウダーを用いて、食べられる「ガスマーブル」の形成に成功しました。この新しい食用カプセルは、見た目も鮮やかで、味わいや香りを楽しむ新しいスイーツの可能性を示しています。

ガスマーブルとは?


ガスマーブルは、固体粒子を使用して形成された薄い膜の小さなカプセルです。この膜は、まるでシャボン玉のように壊れにくく、食品の香りや食感を閉じ込めることができます。藤井教授の研究グループは、昨年もシナモンを使ったガスマーブルを発表し、注目を集めましたが、今回の研究ではさらにバリエーション豊かな食材にも対応できることが立証されました。

研究の詳細と発見


新たに発見されたガスマーブルの形成には、食用パウダーのぬれ性が重要な役割を果たしています。具体的には、水をはじく性質が、ガスマーブルの確立と安定性に深く関わっていることが明らかになりました。この研究には、佐賀大学の柳下拓斗大学院生も参加し、さまざまな食用パウダーを試すことで、さらなる成果が得られました。特に、ココアやカスタードパウダーなど日常的によく使われている食材からも安定したガスマーブルが形成できることが確認されました。

食品分野への応用可能性


このガスマーブルの最大の魅力は、その多彩な応用範囲にあります。例えば、ケーキのデコレーションや新しい香りの付け方に利用されることが期待されています。食材由来のパウダーから作られるため、食用としての安全性も高く、視覚的にも楽しませてくれます。色や香りの異なるパウダーを組み合わせることで、見た目も味わいも多様なスイーツを表現できるのです。

分子ガストロノミーとの関わり


さらに、ガスマーブル技術は分子ガストロノミー(分子美食学)にも新たな可能性を開くものと言えるでしょう。分子ガストロノミーは、料理に科学的手法を取り入れ、食材の特性を活かした創造的な料理を創出します。ガスマーブルを用いた料理は、見た目の面白さだけでなく、食体験自体をも驚きに変える可能性を秘めています。

未来への展望


また、ガスマーブルの応用分野は食品保存や香料の緩やかな放出、さらには教育やアート表現にも至ります。この多機能性は、料理だけでなく、さまざまな産業においても新たな展開が期待されるのです。研究の成果は、日本学術振興会の科学研究費補助金基盤研究(B)を受け、フランスのAnne-Laure Fameau博士との共同研究によっても進められています。

学術雑誌『Journal of Colloid and Interface Science』にて、これらの研究成果が2025年12月11日付で発表され、多くの関心を集めています。これからのスイーツ市場において、食べられるガスマーブルがどのように広がりを見せていくのか、非常に楽しみです。新たな食の体験を皆さんもぜひ試してみてはいかがでしょうか。


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