食品業界を変える！凍結装置の性能評価システム確立プロジェクト

食品産業の未来を見据えた画期的な取り組みが始まっています。一般社団法人食品冷凍技術推進機構（FF Tech）を中心に、凍結装置の性能を科学的に評価する新たな基準を設けるためのプロジェクトが進行中です。このプロジェクトは、2026年度から本格的に運用を開始する予定で、食品産業の全体を支える基盤となることでしょう。

プロジェクトの目的と背景

従来の凍結装置性能の評価には、各社が異なる基準を用いているため、使用する企業にとって、適切な選択をすることが難しい状況でした。これが原因で、凍結装置導入後に「想定と違う」といった問題が生じるケースも少なくありません。そこでFF Techは、透明性の高い評価基準を確立し、冷凍食品業界全体の信頼性を高めることを目指しています。このプロジェクトにより、冷凍食品の品質向上及び日本の食品冷凍技術の国際競争力を強化することが期待されています。

評価基準の確立へ向けた取り組み

この「凍結装置性能評価プロジェクト」は、評価手法の科学的根拠を重視し、各メーカーの凍結装置性能を統一基準で比較できるようにすることを目指しています。現在は実証研究段階にあり、食品の品質評価も今後統合予定です。具体的には、2024年10月には評価手順書の一次案を策定し、2026年1月には評価制度の実運用開始を見込んでいます。

評価の公正性確保

プロジェクトには第三者委員会が設置され、学術界や業界の専門家が評価の妥当性を検証する体制が整えられています。委員長には東京海洋大学の渡辺教授、さらには東京大学の荒木准教授、農研機構の安藤主任研究員など、各分野の専門家が結集し、凍結装置の性能評価を多角的に行うことを目指しています。

国際的な注目

この取り組みは国内だけでなく、国際的にも注目されています。世界的な冷凍・食品工学の権威であるアラン・ル・バイル教授もその意義を支持しており、業界全体での標準化と透明性の向上が期待されています。

参画企業と今後の展開

このプロジェクトには、フクシマガリレイ、タカハシガリレイ、サラヤ、大陽日酸など、多くの企業が参加しています。これらの企業は、評価基準の作成において主導的な役割を果たしており、今後の新規参画企業も広く募集しています。11月には記者会見が行われ、プロジェクトの展望や意義が説明されました。この新たな評価制度は、ただの業界内の取り組みを超え、将来的に持続可能なビジネスとして展開されることを目指しています。