新たに発見された酵素が拓く、健康食品の可能性とは

最近、東京理科大学の研究チームが新しいガラクトオリゴ糖分解酵素を同定しました。この酵素は腸内細菌の一種であるBacteroides xylanisolvensから発見されたもので、ガラクトースを含む糖鎖に特有の基質特性を持っています。ガラクトオリゴ糖は、腸内の善玉菌の栄養源として注目されており、プレバイオティクスとしての役割が広く知られています。

オリゴ糖の役割

オリゴ糖は消化管で分解されにくいため、腸内の健康を保つ上で重要な要素です。特に、ガラクトオリゴ糖は母乳にも含まれる成分で、腸内フローラのバランスを整えることが期待されています。今回の研究により発見された酵素は、これまであまり注目されていなかった希少なβ-1,2-ガラクトオリゴ糖を効率的に生成できる可能性があるため、その応用が期待されています。

新規酵素の発見

今回の研究をリードした中島将博准教授は、新しい基質特異性を持つβ-ガラクトシダーゼの重要性を強調しています。この酵素は、具体的にはβ-1,2-ガラクトオリゴ糖に作用し、その分解機能によって新たな糖鎖の量産が可能になるといいます。このような機能が明らかになったことで、特に健康食品や医療分野での応用が期待されています。