ドモホルンリンクルの新技術がもたらす未来のエネルギー革命とは
2025年12月14日、再春館製薬所が「くまもとSDGsアワード2025」において、「化粧品廃液のエネルギー革命」プロジェクトが入賞したことを発表しました。この受賞は、同社の化粧品ブランド「ドモホルンリンクル」が持続可能な未来に向けた新たな一歩を踏み出したことを象徴しています。
再春館製薬所と「水の都・熊本」の挑戦
熊本県に本社を置く再春館製薬所は、阿蘇の美しい自然と水に恵まれた地域で、漢方の考え方を基にした製品づくりを行っています。特に、主力商品の「クリーム20」はその高機能性で知られ、多くの油分や植物成分が含まれています。しかし、製造過程で発生する化粧品廃液が環境に悪影響を及ぼす可能性がありました。この課題を解決しようと、再春館製薬所は、ベンチャー企業WATASUMIと共同でプロジェクトを開始しました。
微生物の力で化粧品廃液を変革
同プロジェクトの中核をなすのは、微生物燃料電池技術の活用です。廃液という難分解性の物質を、ただ浄化するだけでなく、「電気」や「メタンガス」といったエネルギー源に変えることを目指しています。具体的には、
- - 独自の前処理技術:超音波と物理的な攪拌を組み合わせ、微生物が分解しやすい環境を構築。
- - 微生物群集の最適化:酒造業で培った微生物を基に、化粧品廃液に特化したものに調整。
この革新的なアプローチにより、従来の方法では捨てられていた廃液を、持続可能なエネルギー源に変えることが可能となりました。
プロジェクトへの情熱
プロジェクト担当者の高野徳恵氏は、「私たちは、単に廃液を浄化するだけではなく、その中に新たな価値を見出そうとしています。熊本の自然に恩返しするための一歩として、この技術を完全に実用化したい」と語っています。2026年には、工場内の照明をこの技術で生み出した電気で賄うことを目指しています。
さらなる進化への道
現在、再春館製薬所は、処理速度の向上を図り、沖縄のマングローブ域から採取した菌種の導入を進めています。廃液をゼロにするための取り組みは、地域社会への貢献にもつながります。このように、自社で生成したエネルギーを活用する「エネルギーの地産地消」を実現し、持続可能な社会の形成に向けた確かな歩みを進めています。
まとめ
再春館製薬所の「ドモホルンリンクル」が挑戦するエネルギー転換の取り組みは、私たちに自然との調和を考えるきっかけを与えてくれます。持続可能な社会のための新しい成長の在り方として、このプロジェクトは今後も注目されることでしょう。持続可能な未来に向けて、私たちも一歩踏み出してみませんか?
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