ロンドンとニューヨークの秋冬ファッション新潮流を探る
2026-27年秋冬シーズンがスタートし、ロンドンとニューヨークのファッションシーンには、注目すべき新たな動きが見られます。
ロンドンの美学と独立ブランドたち
2026年には、20周年を迎える「アーデム(ERDEM)」がロンドンコレクションの中心的存在として注目を集めています。アーデムは、ビクトリア朝のシルエットやロマンティックな刺繍を基に、英国特有の美的感覚を現代の文脈へと編み直しています。これにより、ロンドンの独立系ブランドが目指すべき成熟モデルが浮かび上がってきます。
また、人気ブランド「バーバリー(BURBERRY)」は、代名詞ともいえるトレンチコートを、艶やかなレザーや装飾の施されたイブニングドレスへと変化させています。このような新たなアプローチが、ロンドンのファッションシーンにおいて注目されています。
さらに、「シモーン ロシャ(SIMONE ROCHA)」はスポーツブランド「アディダス(ADIDAS)」とのコラボレーションを実現し、ロマンチックなデザインとスポーツテイストを融合させた新境地を開拓しています。これらのブランドに共通するのは、自己のアイデンティティを異なる文脈で再定義しようとする姿勢です。
若き才能たちの躍動
また、今季のロンドンでは若手デザイナー達が躍動しています。「LVMHプライズ2026」のセミファイナリストである「ザ ヴァレイ(THE VXLLEY)」や「ペトラ ファーゲルストロム(PETRA FAGERSTROM)」などは、その斬新なアプローチでファッションの表現を拡張しようと挑戦する姿が魅力です。彼らのクリエイションは今後のファッションを占う鍵となるでしょう。
ニューヨークのスタイルの変化
一方、ニューヨークでは、今の時代を反映した三つのスタイルキーワードが浮上しました。「エンパワリング・リアリズム」は、リアルクローズに無理のない装飾を加え、日常を彩るスタイル。「リ・ヒューマナイズド・クラシックス」は、ビンテージを新たな視点で再定義し、かつての魅力を現代にみずみずしく蘇らせます。最後に「ステートメン・ドレッシング」は、社会情勢に対する意識をどうやってファッションに反映させるかを問いかけます。
これらのスタイルは、現実の反映であると同時に、次世代のファッションに対する挑戦の象徴でもあります。ノードストロームやバーグドルフ・グッドマンといった海外有力店のバイヤーによるコレクション評も、見逃せない要素です。
ファッションビジネスの新視点
さらに、人気連載「齊藤孝浩のファッション業界のミカタ」では、年商1兆円に迫るアシックスの決算を詳しく解説。なぜアシックスが今、世界中で選ばれているのか、その背後にはどのような戦略が潜んでいるのかを探ります。数字の裏側には、ブランドの成長を支える力量が隠されています。
そして、裏面では盛岡を舞台に東北ファッションの聖地を紹介。「生活芸術」の小野公洋代表による、ディープな盛岡案内も見逃せません。
日本国内外のファッション・ビューティ業界の最新情報が詰まった今回のWWDJAPANは、私たちの今後のファッションスタイルを考えるうえで、貴重なヒントが詰まった一冊です。これを機に多様なスタイルを楽しんでみてはいかがでしょうか。