三島由紀夫生誕100年記念公演が決定
2025年5月、有楽町朝日ホールで三島由紀夫の生誕100年を祝う特別な朗読公演が行われることが発表されました。上演されるのは、三島の名作「近代能楽集」から選ばれた『邯鄲』と『葵上』。演出は、大河内直子が担当し、彼女の独自の視点で紡がれる朗読が楽しめる機会です。
これらの作品は三島由紀夫が能の要素を取り入れ、時代を超えた魅力を持つ近代劇として生まれました。1950年発表の『邯鄲』は、夢と現実の境界を探る作品で、主人公の次郎が不思議な枕を通して体験する幻想的な夢の旅が描かれています。同様に、1954年発表の『葵上』は、深夜の病室で繰り広げられる不思議な運命を描き、美と死、恋の本質に迫ります。
特に『葵上』は、若林光とその妻葵の間に絡む六条康子の生霊の存在がもたらす緊迫感が観客を引き込む要素。物語が展開する中で、恋愛や生と死の複雑な感情が描かれ、心に残る深い余韻を残します。
この公演では、実力派のキャストが勢揃いし、観客にとって記憶に残る特別な体験となるでしょう。出演予定者には、朝海ひかる、多和田任益、中尾暢樹、田野聖子、今拓哉、青山達三など、多彩な才能が集結しています。彼らが演じることで、観客に新たな視点を提供し、三島作品の持つ奥深い世界に触れることができるでしょう。
公演期間は2025年5月13日と14日の二日間で、チケットは4月19日から一般発売が開始されます。入場料金は一般8,800円、学生は5,500円と、演劇ファンも気軽に参加できる設定です。
演出家の大河内直子は、蜷川幸雄の助手を務めた経験を活かし、伝統と現代の融合を目指します。彼女の手によって生み出される舞台は、きっと新しい解釈と深いメッセージが込められることでしょう。
三島由紀夫の作品は、日本の文学史において特別な位置を占めており、その言葉は今もなお多くの人々に影響を与え続けています。この朗読公演は、そんな彼の作品に触れる貴重な機会です。日本文化の底力を感じさせる、あたたかでありながら深淵な舞台を是非ご覧ください。
公演詳細
- - 日時: 2025年5月13日(火) 18時/5月14日(水)13時・17時
- - 会場: 有楽町朝日ホール(千代田区有楽町2−5−1有楽町マリオン11F)
- - チケット情報: チケットぴあ または イープラス で4月19日から発売
- - 問い合わせ先: mishima100@mixzone.co.jp
三島由紀夫の美しく切ない作品に、ぜひ浸ってみてはいかがでしょうか。