タペストリー・インク、2026年度第1四半期の業績を大幅増益で発表
タペストリー・インク(NYSE:TPR)は、2026年度第1四半期の業績を発表しました。この期間の収益は前年同期比13%増の17億ドルに達しました。恒常通貨ベースでみても12%の増加が見られ、安定した成長を維持しています。特に、コーチが22%の成長を記録したことが、この業績向上の大きな要因となっています。
営業利益率の改善と株主還元の計画
営業利益率は、GAAP基準で260ベーシスポイント、非GAAP基準では200ベーシスポイントの改善が見られました。この成果は売上総利益率の上昇と販管費の効率化によるもので、企業の財務健全性が高まっていることを示しています。また、希薄化後のEPSは前年同期比61%増の28ドルで、非GAAP基準では35%増の1.38ドルとなりました。
タペストリー・インクは、好調なバランスシートとフリーキャッシュフローの増加を受けて、2026年度に約13億ドルの株主還元を計画しています。これにより、投資家への信頼をさらに高める姿勢を示しています。
新たな成長戦略「Amplify」
タペストリー・インクは「Amplify」と呼ばれる新たな成長戦略を実施しており、以下の4つの柱に重点を置いています。
1. 消費者との感情的なつながりの構築
2. ファッションにおけるイノベーションの追求
3. 魅力的な顧客体験の提供によるグローバルグロースの推進
4. 人材の能力を最大限に引き出すこと
増加した新規顧客と市場成長
2026年度第1四半期において、タペストリー・インクは220万人を超える新規顧客を獲得し、その35%がZ世代の顧客でした。この新世代の消費者をターゲットにした戦略が奏功しており、デジタルチャネルや実店舗においても二桁台の売上増を記録しています。
特に北米、ヨーロッパ、中国などの主要市場で期待を上回る成長がみられ、北米市場では18%、ヨーロッパでは32%、中国は19%の増加が観察されました。これにより、プロフォーマ財務情報も安定した成長を見せています。
業績見通しの上方修正
タペストリー・インクは2026年度の業績見通しを上方修正しました。この見通しによれば、収益は前年比で4%から5%の成長が見込まれ、特にスチュアート・ワイツマンブランドの影響を除くと成長率は7%から8%になる見込みです。これらの数字は、為替の影響でさらに改善されるとみられています。
タペストリー・インクのCEO、ジョアン・クレヴォイセラ氏は、この好業績を「新たな章の力強い幕開け」と位置づけ、持続的な成長に向けたさらなる戦略を強調しました。今後も消費者のニーズに寄り添った製品や体験を提供していく方針です。
まとめ
タペストリー・インクの2026年度第1四半期の業績は顕著な成長を示しており、新たな戦略が実を結んでいます。消費者とのつながりを重視する姿勢や、新層顧客をターゲットにした商品展開が今後の成功の鍵を握るでしょう。さらに、株主還元計画も充実しており、投資家にとっても期待が高まる結果となりました。今後の成果にも目が離せません。