陸上養殖の新時代
2026-06-12 12:48:55

次世代タンパクの可能性を秘めた陸上養殖用飼料の研究成果

株式会社Insect Technologyが、琉球大学との共同研究を通じて新しい養殖飼料の可能性を示しました。最近、魚粉価格の高騰や天然資源への依存が課題となるなか、彼らは野蚕エリサンを用いた代替飼料の開発を進めています。特に注目すべきは、エリサンの蛹を原材料とした陸上養殖用の飼料で、その有効性が実証されたことです。

研究の背景と目的



近年、持続可能な飼料技術の開発が重要視されています。魚粉はその高価格と持続的な供給が課題になっており、これに代わるタンパク資源を探る必要があります。野蚕エリサンは、養蚕地域で手に入る生物資源で、今後の持続可能な水産業における新しい選択肢として注目されています。

実験の概要



実験は、エリサンを魚粉の15%代替する形で配合した試験飼料を用い、沖縄産の高付加価値魚種・ヤイトハタ(ミーバイ)を対象に実施されました。実施スケジュールは2025年10月29日から12月25日までで、国立大学法人琉球大学の協力のもとで進められました。

主な成果



この研究では、エリサンを利用した飼料が魚粉の代替として十分な効果を発揮することが確認されました。具体的には、以下の点が評価されました。
  • - 体重増加率はエリサン配合飼料が156.7%に達し、魚粉飼料と同等の成長を見せました。
  • - すべての飼育期間を通じて生存率100%を達成。
  • - 飼料効率も魚粉配合飼料と同等であったことが確認され、エリサン由来の飼料が魚の健康に寄与する可能性が示唆されました。

シルクフェッドフィッシュの可能性



興味深いのは、エリサン配合飼料を摂取した魚が示した生理学的変化です。酸化ストレス値やコルチゾール値が低下し、血糖値がやや高めに示されたことから、魚の活発な代謝状態が伺えます。これにより、エリサンに含まれる抗酸化成分が魚のストレスを軽減し、養殖環境における品質向上が期待できます。この知見は、エリサンを単なる代替原料としてではなく、機能性飼料として活用する可能性を示しています。

今後の展望



この研究成果を社会実装するため、2026年6月にはエリサン由来の養殖魚を実際に試食できるイベント『Local Blue Table 2026』を開催します。このイベントは多様なステークホルダーが集結し、地域資源を活用した持続可能なブルーフードの未来を共創する場です。詳細は公式サイトで確認できます。

株式会社Insect Technologyのビジョン



Insect Technologyは、養蚕文化と陸上養殖技術を有機的に結びつけて、地域の食循環を促進する新産業モデルを追求しています。彼らは沖縄のみならず全国各地でエリサンの養蚕を展開し、昆虫資源を活用した循環型産業の構築を目指しています。持続可能な食料生産システムの社会実装に向け、さらなる研究と実験を続けていくことでしょう。


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