新たな音楽の探求が始まる
独奏音楽の概念を再構築する試みが行われる。トラヴェルソ奏者として活躍する築城玲子は、2026年9月20日、両国門天ホールで「Ricercareプロジェクト #02〈Galette de riz (avant cuisson)〉」という実験的なリサイタルを開催する。この公演では、歴史的整合性から解放された作品群が披露される予定であり、これまでの音楽の枠を超えた新たな試みを示す。それは約400年に渡る無伴奏フルート作品を通じて行われる。
音楽の歴史を超える
築城玲子はオランダ・ハーグを拠点に活躍する実力派のトラヴェルソ/フルート奏者である。彼女の音楽の基盤は、時代考証に基づく演奏(Historically Informed Performance)だが、最近ではその枠組みを少しずつ問い直す姿勢が見られる。彼女は特定の時代様式や物語性から離れ、演奏そのものを実験的な芸術作品として提示することを目指して行動している。この試みの一環として、今回は作曲家・山本和智による新作の初演が行われる。タイトルの「Galette de riz (avant cuisson)」は、音楽の持つ可能性を探る象徴的な表現だ。
新作初演の舞台裏
今回の公演の中核をなすのは、山本が作曲した「フラウトトラヴェルソソロのための『餅【加熱前】』」である。彼は、音楽と社会との関係性を問い直す作曲家であり、この新作は独奏という形式そのものを根底から捉え直す内容を持つ。
また、別の聴きどころとして2023年発表の福田拓人による作品『トラヴェルソのためのコントラクション』が再演されることもポイントだ。現代作品は初演後に再び演奏される機会が少ないため、これを定着させることを目指している。
歴史の横断を楽しむプログラム
さらに、ルネサンスから現代に至る様々な無伴奏フルートの名曲も演奏される。たとえば、テレマンの『12の無伴奏ファンタジア』やドビュッシーの『シリンクス』、ついには現代音楽としてヴァスクスの『鳥たちのいる風景』に至るまで、時代を横断する豊かな音楽が計画されている。このようなプログラム構成は、楽器選択にも表れており、ルネサンス・フルートから現代フルートまで多様な楽器が用意され、それぞれの楽器が持つ特徴を生かした演奏が期待される。
聴衆との対話
公演中または終演後には、築城自身による楽器の違いやプログラムの意図についての解説時間が設定されており、聴衆が「無伴奏」や「独奏」とは何かを共に考える貴重な機会が提供される。これは音楽に対する理解を深め、より多くの人々に楽しんでもらうことを目的としている。特に演奏のプロセスや背景を知ることで、聴衆は一層音楽の深みに触れることができる。
詳細情報
- - 公演名: 築城玲子 Ricercareプロジェクト #02『Galette de riz (avant cuisson)』
- - 日時: 2026年9月20日(日)14:00開演(13:30開場)
- - 会場: 両国門天ホール
- - 出演者: 築城玲子(トラヴェルソ/フルート)
- - プログラム内容: 新作初演や、器楽作品の数々が予定されています。
- - 料金: 一般 3,500円/学生(25歳以下)2,000円(当日券もあり)
- - 予約方法: 事前予約制、全席自由。公演特設サイトでの申し込み。
今回のリサイタルは、音楽の新たな可能性を探求する貴重な機会です。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。音楽が持つ力を、より多くの人々に伝えるための一環として、実験的な公演は新たな波を生むことでしょう。