ゆずのエキスがもたらす驚きの皮膚バリア機能向上効果
最近、株式会社ポーラのPOLAイノベーションセンターが、ゆずの残さから抽出したエキスに関する興味深い研究結果を発表しました。この研究は、東京工科大学の松井毅教授との共同研究によるもので、2025年の日本香粧品学会にて口頭発表される予定です。
研究の背景
高知県産のゆずを使用するこの研究は、未利用資源としての価値を持つゆずの残さに焦点を当てています。具体的には、ゆずの残さから、皮膚の健康に重要な役割を果たすエキスを抽出し、その効果を分析しました。
主な研究成果
1. Ca2+濃度の上昇効果
研究チームは、ヒトケラチノサイト(皮膚の表皮細胞)に対するゆずエキスの作用を調べました。実験では、ゆずのエキスを添加した結果、ほとんどの細胞で細胞内カルシウムイオン(Ca2+)濃度の上昇が観察されました。これは、ゆずエキスがCa2+チャネルを活性化し、細胞内のCa2+濃度を増加させる可能性があることを示唆しています。
2. TRPV4チャネルの役割
さらに、TRPV4チャネルという重要な因子がこの過程に関与していることも確認されました。TRPV4を阻害すると、ゆずエキスによるCa2+濃度の上昇が抑制され、逆にTRPV4を活性化するとCa2+濃度が上がることが分かりました。このことは、TRPV4が活性化されることによって、Ca2+が細胞内に流入し、濃度が上昇することを示しています。
美肌への道
これらの研究結果から、ゆずのエキスは皮膚のバリア機能を強化する可能性があることが示されています。TRPV4の活性が皮膚バリア機能の調整に重要であることが分かっており、ゆずエキスの導入がタイトジャンクション形成を促進し、肌のバリア機能を強化する助けになると考えられています。
乾燥の季節に向けて
冬は肌が乾燥しやすい季節ですが、この研究結果が実用化されれば、ゆずエキスを用いたスキンケア商品が登場することも期待されます。特に、温度に応じてTRPV4が活性化される特性を生かし、季節ごとの肌のトラブルに対応できる製品が開発されることでしょう。みなさんも、今後のゆずエキスに注目してみてはいかがでしょうか。
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