2025年の飲食料品価格上昇の実態と2026年の展望について

2025年の飲食料品値上げの実態

2025年は、飲食料品の価格が大きく上昇しました。株式会社帝国データバンクが発表したところによると、家庭用を対象とした飲食料品の値上げは、累計で2万609品目に達し、前年の1万2520品目を約64.6％も上回りました。このような大幅な増加は、2023年に続く2年ぶりの事態で、多くの消費者に影響を与えました。

月別では、特に4月に値上げが集中しました。この時期には、調味料やビール、パックご飯などが著しく値上がりし、家庭の食卓が厳しい状況となりました。値上げの要因としては、約9割が原材料高で占められ、特に天候不順や不作が大きな影響を与えたとされています。

下がらない実質賃金と消費者の反発

また、実質賃金の減少が続く中、消費者は価格上昇に対する抵抗感を強めていることが特徴です。値上げ後に販売数量が低下する傾向も見受けられ、プライベートブランド（PB）などの廉価商品が好まれるようになっています。企業は、このような消費者の反応に注意を払いながら価格設定を行っています。

2026年の値上げ傾向への展望

続いて2026年では、値上げのペースは前年よりも緩やかになる見込みが立っています。すでに2026年1月から4月にかけて3593品目の値上げが確定しており、前年の6121品目に比べ約4割の減少となっています。これは、調味料や冷凍食品、米製品など広範囲の食品分野に影響を与えています。

値上げの主な要因は原材料高であり、特に「物流費」や「人件費」の影響も無視できません。これにより、消費者は引き続き価格の上昇を感じることになりますが、全体としては価格上昇の幅が抑制されるとの見通しです。