がん化学療法患者を支える新たなスキンケア指導の重要性
近年、がんに罹患する日本人の割合は高まり、がん治療の進歩により、多くの患者が治療を受けながら日常生活を送っています。しかし、化学療法や放射線療法の副作用により、脱毛や皮膚のトラブルなど外見への影響が避けられない現実があります。そうした外見の変化は、患者の心に大きな負担となり、生活の質(QOL)に悪影響を及ぼします。
アピアランスケアの必要性
外見の変化に伴う苦痛を軽減するための支援を「アピアランスケア」と呼びます。このアプローチは、医学的・整容的・心理的な支援を通じて、がん患者の外見問題に対処します。がん治療における外見の変化にどう向き合うかが、患者の心の安定と生活の質向上に向けて非常に重要です。
那覇西クリニックとファンケルの連携
沖縄県にある医療法人那覇西会の那覇西クリニックでは、2025年からアピアランスケア支援を開始しました。この支援は、ファンケルが協力しているもので、がん治療中の外見の変化やケア方法を包括的に扱った情報サイト「Nagomi time」を通じて行われています。
この取り組みの一環として、最近、がん化学療法を受ける乳がん患者50人を対象に、予防的なスキンケア指導の研究が始まりました。これにより、皮膚障害の発生率を低下させ、患者のQOLを向上させることが目的です。
スキンケア指導の研究概要
この研究では、患者を2つのグループに分けて、化学療法の開始前に予防的スキンケアの指導を受けるグループ(AC群)と、通常行うスキンケアを行うグループ(SC群)で比較します。AC群では、化学療法を始める前にスキンケアの方法を指導し、実践します。一方、SC群は化学療法の開始前に予防的スキンケアの指導を受けることはありません。研究期間は2026年12月30日までで、治療中の皮膚の状態を評価し、治療前からの支援の有用性を検討します。
皮膚障害の評価
主要な評価項目には、皮膚障害の発生頻度とその重症度、皮膚疾患が生活に与える質の評価(DLQI)、QOLスケール(EORTC-QLQ-C30日本語版)等が含まれます。また、副次的評価として、治療期間中の皮膚の状態を写真で記録することも行われます。
結論
今後も、ファンケルはがん患者に対するアピアランスケアの重要性を認識し、医療現場の支援体制の構築に役立つ取り組みを継続していく方針です。これにより、患者の心のケアはもちろん、より良い生活の質を確保するサポートを行っていきたいと思います。外見の変化に悩むすべての人々への支援が、がん治療における新たな時代を切り開くでしょう。