新たないちご生産拠点、ファーマ村いちご農園
2023年4月18日、茨城県稲敷市に待望のファーマ村いちご農園が完成しました。この農園は、全国規模で青果流通を展開する株式会社ファーマインドの新たな挑戦であり、効率的かつ持続可能な農業を実現するための拠点となります。今回の竣工式には、ファーマインドの代表者や地元の行政関係者が出席し、新たなスタートを祝いました。
効率化された生産システム
この農園は、高設ベンチ栽培の新しい形を取り入れた上下稼働式リフティングシステムを採用しています。このシステムでは、栽培ベンチが上下に稼働し、作業していないベンチを上に持ち上げて通路を作ります。これにより、スペースを有効活用し、通常の栽植株数の1.8倍から2倍に増やすことが可能です。また、栽培ベンチの高さを調整できるため、作業の効率が上がり、作業者の負担も軽減されます。
自動管理で生育環境を最適化
ファーマ村いちご農園では、統合環境制御装置を用いて生育環境を自動的に管理。遮光・保温カーテン、温湯暖房、養液灌水装置などの機器を整備し、イチゴに最適な生育環境を維持します。さらに、管理データはクラウド上で蓄積され、次回の栽培にも活かされる仕組みです。
環境に優しい農業の実現
農業における環境負荷を低減するため、この農園では次世代農業技術を導入しています。太陽光集熱パネルを使用し、昼間に作られた温水を夜間にイチゴ周辺で使用することで、部屋全体を温めるよりも効率的に省エネを実現。また、循環型養液栽培も導入し、肥料と水を無駄なく使用することを目指します。
収穫後の流通プロセス
収穫されたイチゴは、農園内で冷蔵された後、トラックバースから冷蔵トラックに移されます。低温管理された状態で青果センターに運ばれ、そこで冷蔵保管・仕分けされた後、各店舗へと届けられます。このコールドチェーンシステムにより、品質が確保された状態で消費者の手に渡ります。
輸出市場への挑戦
ファーマ村いちご農園では、輸出向けに減農薬栽培にも挑戦しています。厳しい残留農薬基準をクリアするため、外気を防虫網を通して取り入れる換気システムや、作業者の入室時にエアーシャワーを利用し衛生管理を徹底します。苗の虫害防止にも液化炭酸ガスを使うなど、細心の注意が払われています。
未来を見据えた取り組み
ファーマ村いちご農園は、ただの農業拠点ではなく、持続可能な未来を見据えたスマートな農業モデルの実現を目指しています。今後も2.5haの拡大を視野に入れ、日本最大規模となる4.5haの農園を目指してまいります。このような取り組みが、国内農業の活性化や環境保護につながることが期待されているのです。