男女で異なる脱毛のリスク、男性は女性の約3.7倍の危険性

脱毛の新たなリスク：硬毛化について

最近、医療レーザー脱毛後に起こる「硬毛化」、つまり毛が太く濃くなる現象についての新たな研究結果が発表されました。医療法人社団慶峰会クレストスキンクリニックの森口医師によると、この硬毛化は特に男性において発生リスクが高く、驚くべきことにそのリスクは女性の約3.7倍であることがわかりました。この研究結果は、国際的な皮膚科学雑誌「Journal of Cosmetic Dermatology」にも掲載され、今後の医療脱毛の認識を大きく変えるかもしれません。

硬毛化とは何か？

硬毛化（Paradoxical Hypertrichosis：PH）は、医療レーザーや光脱毛の施術後に、照射された部位や周囲の産毛がより太く、濃くなることを指します。これまで硬毛化は「まれな副作用」とされていましたが、新しい研究により、特に男性では思った以上の頻度で発生していることが証明されました。

実際のデータを見てみると、男性患者の約33.3％が硬毛化を経験しているのに対し、女性ではその割合はわずか9.0％に留まります。この結果からも、男性にとって医療脱毛は安易に行うべきではないことが明らかになりました。

柔軟な発想が必要なメンズ脱毛市場

近年、メンズ脱毛市場は急速に拡大しています。サロンやクリニックは増え、価格も競争的になってきていますが、一方でサービスの質や医療管理のばらつきが懸念される状況が続いています。脱毛クリニックの倒産や予約困難といった話も見かけますが、こうしたことはリスクを正しく理解しないまま安易に脱毛を選んでしまった結果かもしれません。

男性の脱毛患者は増加していますが、森口医師は「医療脱毛後の硬毛化のリスクについて、患者はしっかり認識しておくべきです。また、我々医療従事者もそのリスクの説明を重視する必要があります」と語ります。

安全な医療脱毛のために

このような硬毛化が起こる原因はまだよくわかっていません。男性は体毛密度やホルモンの影響を受けやすく、これが硬毛化を招く要因と考えられています。また、最近の研究では、日焼け止めを継続的に使用することで硬毛化のリスクが低下する可能性が示唆されています。このことからも、脱毛を希望する男性は適切なケアをしながら施術を受けることが重要です。

クレストスキンクリニックは、今後も硬毛化に関する研究を進め、患者にとってより安全で確実な医療脱毛の提供を目指すとしています。脱毛はもはや美容の範疇ではなく、専門的な知識と継続的なフォローが必要な医療行為であるという認識が求められる今、私たちもその意識を持つべきでしょう。

まとめ

硬毛化という現象を理解することで、医療脱毛を受ける上でのリスクを正しく認識できるようになります。特に男性は、注意深く施術を選び、リスクをしっかり把握した上で決断することが求められます。今後も、正確な情報をもとにして、より多くの人が安心して脱毛治療を受けられるように、医療現場は努力を続けていく必要があります。