桂南光が語る82歳の落語人生とABCラジオの誇る落語会
2025年2月16日、ABCラジオは国立文楽劇場で「上方落語をきく会」を開催します。この会は、1965年から続く上方落語の歴史とともにおり、多くの落語ファンにとって特別な意義を持つ存在です。今回は、その夜の部のトリを務める桂南光さんに独占インタビューを行いました。
桂南光、55年の落語人生
桂南光さんは1970年に二代目桂枝雀に入門し、今年でちょうど55年の芸歴を迎えます。彼が落語に興味を示したのは、実は入門する前のこと。ラジオ番組で師匠の温かい口調を聞き、彼の人柄に惹かれたのがきっかけだといいます。その頃は落語自体に強い思いもなく、むしろ他の仕事を考えていたそうです。“当初は落語の面白さを実感する理念もなく、ただの興味からのスタート”と南光さんは語ります。
「私の本質は落語家ではなく、ただ人と会話している延長が落語だと思っているんですよ。落語に関しては、50歳を過ぎたときに本当に面白いと感じるようになった」と語る南光さん。彼は初めて舞台に立った時の気持ちや、苦しさを感じながらも続けてこられた理由についても赤裸々に話す。
ABCラジオの落語会
ABCラジオの「上方落語をきく会」は、その伝説の中でのひとつ。1965年から続くこの会には、数えきれないほどの上方落語家が名を連ねています。今回は第123回目の開催となり、南光さんは大トリを務めることに。その重圧について尋ねると、「毎回プレッシャーは感じるが、若手と一緒に笑いを共有出来る喜びは何よりも大きい」と微笑みます。
夜の部では、彼にとって特に嬉しい出演者たちが揃います。孫弟子の桂天吾さんを始め、南天さん、笑福亭鉄瓶さんなど、各世代の落語家が集まるこの会の魅力についても話してくれました。「一門会のように連携できることが嬉しい」と力説される南光さんの表情には、若手たちへの期待も見え隠れします。
伝説の落語家たち
南光さんは、その功績を認められ数々の受賞歴があります。最近でこそその名が広がりつつある若手落語家たちも、彼の存在を慕っているのは明らかです。「お孫さんや弟子たちが活躍し、今の世代に落語が受け継がれていく姿を見ると、感慨深い物があります」と語る南光さん。
「記憶力は落ちているが、今の子たちは何倍も頑張っているので、私も負けづにやらなければと思う」気持ちで日々過ごしています。
落語の新たな楽しみ方
近年、南光さん自身が落語の内容をアレンジすることも増えています。「納得できない落語は、やるなら納得できるように変えていく」と語り、昔の落語に新しく現代的な解釈を加えています。特に「抜け雀」の演出では、江戸時代にこだわらず、より親しみやすい場所設定を工夫しているとのこと。
彼の話からは、落語の自由さを感じ、「いかに観客に楽しんでもらえるか」にもこだわりが見えました。落語はただの伝統芸能ではなく、時代と共に進化する楽しみを持っていることを証明しています。
終わりに
ABCラジオの「上方落語をきく会」は2月16日(日)に国立文楽劇場で開催されます。桂南光さんの落語には、彼だけの独自の演出と愛があります。ファンとして足を運びたい方は、ぜひその魅力を生で体感しては如何でしょうか?彼のトリを飾ることでさらなる感動が得られることは間違いなしです。ぜひ、桂南光さんと共に、落語の新たな歴史を楽しみましょう!