鹿嶋市が推進する新たなプラスチック容器循環プロジェクトの全貌

茨城県鹿嶋市で、新たなプラスチックリサイクルのプロジェクトが始まりました。これは、鹿嶋市をはじめ、リファインバース、三菱ケミカル、東洋製罐グループ、キユーピー、カスミの6者が連携し、プラスチック容器の循環利用を目指す「プラリレープロジェクト」と名付けられた取り組みです。

プロジェクトの目的と背景

現在、プラスチック包装容器のリサイクルは、持続可能な社会の実現に向けて非常に重要な課題となっています。自治体や様々なメーカーがそれぞれ独自の取組は行っていますが、プラスチック容器は外見が似ていても材料が異なるため、分別やリサイクルが困難な状況です。この問題を解決するため、鹿嶋市ではプラスチックの回収から再利用までの一連のプロセスを整備することに決定しました。

具体的には、ケミカルリサイクルの手法を活用し、プラスチック容器を素材として再活用することを目指します。このプロジェクトは、リサイクルの全過程に関与する各プレーヤーの協力を促進します。

具体的な取り組み内容

このプロジェクトは、2025年夏を目指し、使用済みプラスチックを年間で再資源化する実証実験を行います。具体的には、まず鹿嶋市内で回収したプラスチックをリファインバースが一次加工し、その後、三菱ケミカルの新設ケミカルリサイクルプラントで再資源化されます。再生プラスチックは、東洋製罐グループによって新たな容器へと形を変え、キユーピーが製造した食品としてカスミで販売されます。これにより、消費者の手元に戻るという、循環型の経済モデルが実現します。

また、リサイクル教育や子どもたちへの啓蒙活動も実施します。特に、鹿嶋市内の小中学校ではプラスチック資源に関する学習を行う予定です。こうした活動を通じて、地域住民との密な連携を図り、プラスチックリサイクルの重要性を広げていきます。

参加企業の役割と目指す未来

各企業はそれぞれの強みを生かし、以下のような役割を担います。

- 鹿嶋市: 啓蒙活動とルール作り
- リファインバース: 回収と中間処理
- 三菱ケミカル: ケミカルリサイクルによる再資源化
- 東洋製罐グループ: 容器の製造
- キユーピー: 製品の製造
- カスミ: 商品の販売と店頭回収

この取り組みを通じて、鹿嶋市はプラスチックの循環利用のモデルケースを作り、日本全体に広めることを目指します。成功事例が増えれば、全国の自治体においても同様の取り組みが進むことが期待されています。

今後の展望

今後、本プロジェクトでは実証実験から得られるデータを基に「プラスチック容器の循環に関する検証レポート」を作成します。このレポートをもとに、さらに改善点を明らかにし、各種闇雲なルール作りを検討します。リファインバースは、長年のサーキュラーエコノミーの実現に向けた努力を持続し、より多くのプラスチックを循環させていく方針です。これからの取り組みが、持続可能な社会への一歩となることを期待しています。