食品殺菌技術「SVP-1」で食材の新たな管理を
2025年4月に販売が開始される食品殺菌装置「SVP-1」は、株式会社中西製作所によって開発されました。この革新的な装置は、過熱水蒸気を利用して食材を瞬時に殺菌することができ、薬剤を一切用いずに食材表面の生菌を効果的に低減します。これにより、食材の食感を損なうことなく、衛生管理の新たな選択肢を提供しています。
開発の背景
食品衛生の世界では、カット野菜などを扱う現場で様々な課題が浮き彫りになっています。従来の薬剤を使った殺菌では、薬品臭が残ることや、特定の食材や形状に対して不十分な殺菌効果が懸念されています。「SVP-1」はこれらの問題を解決するために開発され、薬剤に頼らず高い殺菌性能を実現しました。特に、食材本来の食感を損なわない点が魅力的です。
「SVP-1」の特長
1. 瞬間殺菌
新しく設計されたスリットノズルから放たれる過熱水蒸気が、食材表面の生菌を瞬時に加熱し、効果的に殺菌します。この迅速な殺菌プロセスは、従来の方法に比べて格段に効率的です。
2. 生菌の大幅低減
「SVP-1」では、従来の殺菌方法と比較して、生菌の数を大きく減少させることが可能です。初発菌数を抑えることで、冷蔵保存中の生菌増殖を抑制することが確認されており、野菜の保存期間を延ばせる効果が期待されています。
3. 食感保持
この装置は、食材の硬さをほぼそのまま保ちながら殺菌を行います。実験において、過熱水蒸気で処理した食材は、その食感をきちんと維持していることが確認されています。これは、食材の種類や鮮度によって変動することがあるため、実際の使用においては注意が必要ですが、革命的な進展と言えるでしょう。
食品加工の新たな選択肢
「SVP-1」は、薬剤を使用せずに食材を殺菌する新しい方法を提供し、これにより食品製造の現場における可能性を大幅に広げます。中西製作所は、この革新的な技術を通じて、食品衛生管理において新たな基準を打ち立てようとしています。
展示会出展情報
中西製作所は、FOOMA JAPAN 2025(2025年6月10日から13日)に出展し、「SVP-1」などの新技術を紹介します。会場では、食品製造の未来を切り開く様々な技術を見学できる機会がありますので、ぜひ立ち寄ってみてください。ブースは東3ホールのNo.東5P-38です。
会社情報
株式会社中西製作所は1946年に設立され、業務用の厨房機器を製造・販売しています。学校や病院、福祉施設、企業食堂など、多様な調理施設へも事業を展開し、安全で効率的な調理環境の創出をサポートしています。今後とも、品質向上に努め、新技術を通じて市場に貢献していくことを目指しています。