朗読劇「成瀬」初日レポ
2025-09-14 10:16:24

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』心震える初日公演レポート

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』心震える初日公演レポート



2025年9月13日、草月ホールで配信された朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』の初日公演が、観客を感動の渦に巻き込みました。本作品は、宮島未奈による原作を基にしたもので、2023年の刊行以来、話題を呼び続け、多くのファンを魅了しています。本日はその初日を振り返り、刻まれた瞬間をお届けします。

朗読劇の魅力とキャストたちの熱演



公演が始まると、場内は静けさに包まれ、一瞬にして「成瀬あかり」の世界に引き込まれます。声だけで表現される青春の物語は、観客の心に強く響き、「この世界を信じる力」をメッセージとして私たちに届けます。主演の成瀬あかり役を務めたのは、実力派声優の岩田陽葵さん。彼女の演技は、成瀬の持つ突飛な行動力を丹念に描き出しました。

岩田さんは、感情豊かなトーンで成瀬あかりの真っ直ぐな姿勢を表現し、その中に潜む孤独感や決意を巧みに演じ切りました。特に、日常会話の中に高まる感情を自然に表現することで、観客は彼女の言葉に共鳴し、心を寄せることができました。成瀬の「島崎、わたしはお笑いの頂点を目指そうと思う」という一言には、岩田さんの迫力が存分に込められており、観客の心をしっかりとつかんで離さない力がありました。

バランスのとれた親友役、島崎みゆき



成瀬の親友である島崎みゆきを演じたのは、紡木吏佐さんです。彼女は成瀬の行動を受け入れつつも、自然体で観客に共感を与えるバランス感覚で演じました。感情の起伏を抑えたトーンで展開される演技は、ストーリーのリアリティを支えました。紡木の島崎は、成瀬という“異質な”存在を見守る優しさを表現しつつ、彼女の力量をしっかり受け止めていました。

友情と成長の葛藤



岩田さんと紡木さんの掛け合いは、まるで漫才のような軽快さを持ち、笑いと感動を生み出しました。成瀬は常識を超えた行動に直向きで、それに対し島崎が絶妙なツッコミを入れるスタイルは、観客を笑顔にしつつ、二人の成長を描き出す大切な要素となっています。また、梅田修一朗さんが演じる西浦航一郎は、成瀬の突飛な個性に影響されながら、自身の心と葛藤するキャラクターとしてリアルな描写が光りました。

ゆっくりとしたやり取りの中にも、二人が互いに理解し合おうとする姿勢が存在し、観客はその温かさを感じ取ることができました。特に、成瀬の「二百歳まで生きようと思っている」という発言に対しても、梅田さんのリアクションは的確で、自然な流れが生まれていました。

演出家の力量が光る



本作の演出を手がけた野坂実さんは、シンプルな演出によって深い人間ドラマを描くことに定評があります。朗読劇ならではのリアリティを大切にし、役者たちのセリフの間や登場人物同士の距離感を巧みに調整。観客はまるで目の前で彼らが生活しているかのような錯覚を感じました。

また、オリジナル音楽が本作の世界観を一層引き立て、場面ごとの空気感を演出。成瀬の個性を強調しつつ、物語全体を包む静かな温かさが感じられました。各キャストの新たな解釈が反映された演出は、毎回異なる化学反応を引き出していました。

終演後の感動の声



終演後、出演者たちのアフタートークでは、岩田さんや紡木さん、梅田さんが自らの役の思いや演出について語りました。岩田さんは原作の強い人物像に対する不安を口にし、観客との対話を通じて安心感を得ることができたようです。紡木さんは、キャストが日替わりで変わることによる新しい発見を楽しむ様子を語り、梅田さんは自身のキャラクターを通して新たな表現に挑戦したことを振り返りました。

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』は、単なる笑いだけでなく、友情と成長の物語を通じて観客に深い感動を運び、心に残る作品となりました。これからの公演にも大いに期待が寄せられます。


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