史雲龍の古韻
2025-04-25 21:54:22

大唐の音色を届けた琴奏者・史雲龍が魅せた千年の古韻

大唐の音色と古琴の魅力



4月20日、東京の根津美術館において、特別な音楽が響き渡りました。中国の伝統的な楽器「古琴」を用いたコンサートが行われ、虞山派の古琴家である史雲龍(し うんりゅう)氏が特別ゲストとして招かれました。この催しは「虞山物語」と題され、満席の聴衆が集まった中、歴史と文化を生き生きと感じさせる貴重な時間が提供されました。

古琴の歴史と意義


古琴は、三千年を超える歴史を持ち、ただの楽器ではなく、心身を鍛え上げる「修身の道」として深く根付いています。歴代の文人や修行者たちは、琴を通じて哲学や道を求め、孔子や詩人・李白らも琴を詠ったことで知られています。この楽器は、単に音を奏でるだけでなく、その背後には深い文化や教えが宿っています。

コンサートの様子


公演が始まると、赤い唐服をまとった史氏が登場。彼の姿はまるで李白のようで、観客の心を掴みました。式台に揃えられた琴と書、そして静かな照明が、彼を際立たせます。氏が語りかけるうちに、古琴の音色がゆっくりと会場に広がり、そこにはまるで古代の風景が息づいているようでした。

来場した観客の中には、茶道や漆芸といった日本の伝統文化を愛する方々が多く、彼らも琴の音色に浸り、時空を超えた体験をしていました。音色は、歴史の重みを感じさせただけでなく、それを超えた豊かな感情や精神性をも表現していました。

観客の反響


コンサート後、ある日本人観客はこう語りました。「史先生の琴の音色を聴くことで、大唐の壮大な風景が目の前に広がってくるようでした。」別の観客は、鎌倉で聴いた際の印象を話し、「同じ『酒狂』でも、今回は静かな酒を楽しんでいるような落ち着きがありました。」と感想を述べました。琴の音が彼らの心にどれほど響いたかを物語っています。

なかには、「流水」が奏でられた瞬間に水が流れる感覚を覚えたという観客もいて、琴の音色が持つ不思議な力を体験しました。公演を通じて、まるで異世界に迷い込んだかのような静寂が生まれたことは、十分に感動的な瞬間でした。

史雲龍の思い


公演後、史氏は「大道は共通の源を持ち、琴道は美しい精神の時空を作り出す」と語りました。彼は琴の響きが国境を越え、琴芸術の重要性を感じさせてくれると信じています。千年を超えた琴の音を、現代に新たな生命力を吹き込んで蘇らせることが、彼の願いです。

次回への期待


コンサートはチケット発売と同時に即完売し、追加席を求める声が相次ぎました。主催者は最善を尽くしましたが、多くのファンの熱意には応えられませんでした。しかし、史氏を再び招く準備は既に進行中です。次回の彼の公演がどのような世界を見せてくれるのか、期待が高まります。琴の音色が織りなす新たな物語への希望を胸に、再びの出会いを待ち望む声が響いています。


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