舞台『十二人の怒れる男たち』ビジュアル撮影を徹底レポート

舞台の名作中の名作とも言われる『十二人の怒れる男たち』が、2025年3月26日から30日まで東京・サンシャイン劇場で上演されます。この作品は、アメリカのテレビドラマを基にした法廷劇で、12人の陪審員による緊迫した議論が展開されます。そんな期待感が高まる中、撮影されたビジュアルには主演の富永勇也、小波津亜廉、朝田淳弥の真剣な姿が収められました。

公演概要と作品の魅力

『十二人の怒れる男たち』は、1954年にアメリカで放送されたテレビドラマが原作で、長年にわたって映画や舞台で上演され、色々なクリエイターに影響を与え続けています。本公演は新たに翻訳された脚本と、ミステリーを手がける野坂実の演出で、おそらく新しい感覚が加わることでしょう。

物語の舞台は陪審員室で、被告は18歳の少年です。罪の重さと陪審員たちの異なる思いが交錯する中、彼らがどのように真実にたどり着くかが大きな見所で、観客を引き込む力を持っています。

ビジュアル撮影の裏側

今回の撮影は白いホリゾントで基本となり、特に工夫がなされたのは撮影ブースに設けられた独特な照明です。オレンジ色の光は、真夏の西陽を思わせ、陪審員たちの内なる感情を引き立てる役目を果たしています。デザイナーとカメラマンは台本を熟読し、役柄の深層を理解しながら、効果的な構図や色彩を決定していきました。

各キャストの個性

朝田淳弥（陪審員2番）

朝田は、銀行員役にふさわしく渋い焦げ茶色のスーツで撮影に臨みました。彼の役は協調性がありながらも優柔不断という複雑なキャラクター。最初のカットでシャープさを大切にしながら、撮影の後に「普段は決めた感じで撮ることが多いが、今回は『抜けた感じ』を意識している」と語りました。そして、カメラマンからの「カッコよくなり過ぎないで」というリクエストには、スタジオの雰囲気を和ませるユーモアを交えました。

小波津亜廉（陪審員10番）

小波津は182センチの長身でサスペンダーを見事に着こなしました。役柄は怒りっぽい労働者階級で、そのイメージを大切にした撮影でした。彼はアドリブで周囲を笑わせ、自らのキャラクターの多面性を体現しました。撮影後には「怒りのバリエーションを作ってみたかった」と優しい笑顔で語り、リアルなキャラクターに肉付けをしました。