母乳中の糖鎖の変化を解明した新研究
2025年10月2日から4日に開催される「第44回日本糖質学会年会」において、雪印メグミルク株式会社と雪印ビーンスターク株式会社が共同で実施した第3回全国母乳調査の成果が発表されることが注目されています。この調査では、出産後の日数に応じた母乳中の糖たんぱく質糖鎖の濃度変化を、この分野で初めて詳細に解析しました。
糖たんぱく質糖鎖とは?
母乳中には赤ちゃんの健康に不可欠な成分が多く含まれています。その中でも重要な役割を果たしているのが糖たんぱく質糖鎖とヒトミルクオリゴ糖(HMO)です。
これらは赤ちゃんの腸内環境を整えるだけでなく、免疫機能の発達にも寄与しています。このように、母乳の成分は赤ちゃんの成長をサポートするために非常に重要です。
母乳中の糖鎖の変化を測定
今回の研究では、20名の母親から提供された母乳を使い、出産後の日数ごとに28種類の糖たんぱく質糖鎖の濃度を最新の分析技術で測定しました。
その結果、大半の糖たんぱく質糖鎖は出産後に濃度が減少しましたが、一部の糖たんぱく質糖鎖は逆に濃度が上昇することが確認され、糖鎖の種類ごとに異なる変化パターンが見られました。この新たな発見は、母乳の成分がどのように赤ちゃんの育成に影響を与えるのかを理解するための重要な材料となります。
研究の意義と今後の展望
この研究成果が示す通り、母乳中の糖鎖の濃度変化を詳しく解析することは、赤ちゃんの健康や成長にとって重要な影響を持つ可能性があります。科学的な知見を基に、市場における育児用ミルクや機能性素材の開発に活かしていくことが期待されます。
これによって、赤ちゃんにとって最適な成分や栄養を提供できる製品の開発が進むでしょう。また、母乳の重要性を広く認知させるための情報提供も行われることが期待されます。
日本糖質学会年会の詳細
第44回日本糖質学会年会は、2025年10月2日から4日まで行われ、演題には「母乳中のN/O結合型糖鎖濃度の泌乳期変化」が発表されます。研究チームの発表者として、雪印メグミルクと雪印ビーンスタークの研究者たちが名を連ねています。
母乳が赤ちゃんの成長にどのように寄与するのか、その詳細を探求することは、未来の育児支援において非常に重要なテーマです。今後も、雪印メグミルクと雪印ビーンスタークの研究に注目し、その進展を見守っていきたいですね。