藤田医科大学と第一三共ヘルスケアが取り組む嚥下力研究の新展開

高齢者を支える新しい錠剤開発

第一三共ヘルスケア株式会社は、藤田医科大学と共に高齢者の嚥下力低下に着目した共同研究を始めました。この取り組みは、高齢者を含むすべての人が服用しやすい錠剤の開発を目指すものです。

薬の服用と嚥下力の現状

近年、高齢化社会が進む中で、錠剤の服用に困難を感じる高齢者が増加しています。特に、喉につかえることや飲み込みづらさを訴える方々は少なくありません。第一三共ヘルスケアでは、これまで錠剤のサイズを小さくして服用のしやすさを向上させてきましたが、有効成分の配合量が多い場合は小型化に限界があることが課題でした。そのため、研究チームは新たに適切な形状や大きさの錠剤を開発するため、科学的アプローチを採用することに決めました。

高度なシミュレーション技術の導入

本研究では、藤田医科大学のリハビリテーション医学講座と連携し、各年齢層の喉の動きをコンピューター上に再現したモデルを構築します。これにより、様々な錠剤の大きさや形状を用いた嚥下シミュレーションを行い、その結果を元に飲み込みやすい錠剤の形状を選定します。

さらに、実際に服用した際の飲み込みやすさを評価し、シミュレーションの精度を高めることで、より良い製品開発に繋げる狙いがあります。このようなアプローチにより、将来的に高齢者が安心して服用できる錠剤の形状を見出すことが期待されています。

口腔ケアとオーラルフレイル対策への応用

得られた研究成果は、口腔ケアやオーラルフレイル対策の発展にも寄与すると期待されています。嚥下機能の研究を通じて、高齢者の日常生活を支える製品の開発が進められ、健康で活動的な生活を送れるようになるでしょう。

生活者のニーズに応える製品を目指して

第一三共ヘルスケアは、科学的根拠に基づいた品質を重視しつつ、外部研究機関との共同研究や、製造委託による技術開発を積極的に行っています。生活者満足度の高い製品を生み出すことを目指し、今後も様々な挑戦を続けていく方針です。

この共同研究によって、高齢者の受診頻度や服薬の悩みを解消し、より安全で使いやすい医薬品を提供することが期待されます。私たちの未来に向けたこの取り組みに注目が集まることでしょう。