神戸大学とシュゼットが手を結び食の未来を創造する取り組み

新たな価値を生み出す産学連携

2025年8月27日、神戸大学と株式会社シュゼット・ホールディングスが新たな包括連携協定を締結した。この協定はいよいよ始まる、双方の知見を活かして地域社会へ貢献しながらお菓子の可能性を広げる取り組みの一環となる。

包括連携協定の目的とは？

協定の主な目的は、産と学の協力を通じ、より良い社会の実現を目指した新たな価値の創出である。具体的には、以下の3つの重点分野が掲げられている。
1. 共同研究や受託研究の企画・実施
2. 人材育成関連の支援
3. その他、産学連携の推進に向けた活動

これにより、神戸大学の先端的な研究や技術と、シュゼットの洋菓子に関する豊かな経験が結びつき、地域文化の振興や新製品開発を進めることが期待されている。

医療と食の融合：新たなお菓子の提案

特に興味深いのは、神戸大学の医療大と連携した共同研究の一環として、食べる人の健康に寄り添ったスイーツの開発が進められる点だ。栄養制限のある患者や、食事制限に悩む人々に向け、安心して楽しめるお菓子作りが進行中である。
例えば、栄養学に基づいた食材選びを行い、動物性油脂や精製糖を使わないフィナンシェやシフォンケーキの開発を行っている。

このような新しい商品は、健康面での配慮がされながらも美味しさを損なうことなく、多くの方に楽しんでもらいたいという願いが込められている。「お菓子が食べたいが食べられない」といった悩みを抱える人々に、新たな選択肢を提供することを目指している。

人材育成と文化の交流

また、本協定は人材の交流および育成にも力を入れる。神戸大学では、今年7月に外国人留学生を対象としたインターンシップを実施し、日本と他国の菓子文化の違いについて議論する機会を設けた。このような国際的な交流が、さらなる視野の拡大に繋がり、双方の成長にも寄与することが期待されている。

今後の展望

この新しい連携が成功すれば、さらに広範な分野への展開が期待される。高齢者向けの健康菓子やアレルギー対応製品、さらにはフードテック市場への進出という可能性も秘めている。

シュゼットの代表取締役社長である蟻田氏は、「お菓子を通じて人々の悩みを解決するコンサルタントである」との企業理念を掲げ、今回の協定が地域社会に貢献する一つのモデルケースとなることを目指している。