2026年の食品市場予測:値上げラッシュは一時お休みか?
最近の経済情勢により、食品市場にはさまざまな変化が見られています。特に2025年の飲食料品の値上げは、過去数年のデータと比較しても明らかに注目すべき現象です。株式会社帝国データバンクの最新分析によると、2025年の食品の値上げ品目数は合計2万609品目に達し、前年よりも64.6%の増加を記録しました。この現象は、2023年の3万2396品目以来、2年ぶりに2万品目を超える数字です。
2026年の値上げ状況
2026年には1044品目が値上げされる見込みですが、これが前年の4417品目に比べて大幅に減少することが予想されています。また、2024年以降では最も少ない水準となる見込みです。2026年の春にかけて、値上げラッシュは一時的に収束することが期待されています。特に、11月末時点では単月で千品目を超える値上げはなく、冷凍食品やパックごはんといった加工食品分野でも、値上げのペースが落ち込みつつあります。
値上げの主な要因
食品分野における値上げ要因として、多くの企業が「原材料高」を挙げており、これは99.7%を占めると分析されています。加えて、包装材のコスト増加や、運送コストの上昇、人件費の増加が影響していることも明らかです。しかし、2024年に比べると、サービス由来のコスト増は緩やかになっているとのこと。
2025年12月には、チョコレート菓子や調味料など217品目が値上げされ、平均値上げ率は17%に達しました。この動きは前年に比べて高いレベルであり、値上げの圧力が続くことが示唆されています。特に、「調味料」分野は6221品目と大幅に増加しており、前年の1715品目から262.7%の上昇を見せています。
今後の見通し
2026年においては、モノ由来の要因が値上げを引き起こす企業の割合が高まっていることが見て取れます。例えば、天候不順による不作の影響や、原材料価格の上昇が目立っています。現在の円安状況や原油高も、包装資材などに影響を与えており、今後も値上げのリスクが残っています。
消費者は、価格上昇に対する抵抗感が強まりつつあり、プライベートブランド商品の人気も高まっています。このような状況により、卸売業者や小売業者にとっても、単価の上昇を売上にどう反映していくかが課題となるでしょう。
総じて、今後の食品市場において値下げや価格の据え置きは難しそうです。大規模な値上げラッシュは、2026年春まで収束しそうですが、物価は中長期的に見ても引き続き上昇傾向が続く見込みです。消費者としては、自分たちの生活にどのように影響してくるのか、冷静に注視していく必要があります。