ELISEが進化する
最近、ベトナムの女性アパレルブランド「ELISE」が、テクノロジーを駆使した「STAFF START」というDXアプリを導入しました。この取り組みは、ベトナム国内でショップ数No.1を誇るELISEにとっての大きなステップです。ELISEは、2011年にハノイで誕生し、現在では130店舗を展開するまでに成長しました。
進化する市場背景
ベトナムは近年、年8%を超える実質GDP成長率を維持しており、消費者の購買姿勢も大きく変わってきました。従来のノンブランドから、より洗練されたブランド品への移行が進んでいます。このようなマーケットの変化に伴い、ELISEはクオリティやトレンドを重視し、特にミドルからハイエンド層の顧客に、高品質なショッピング体験を提供することに注力しています。
STAFF STARTの役割
STAFF STARTの導入により、ELISEは顧客に新たなECサイト体験を提供するだけでなく、店舗スタッフにもプロ意識とモチベーションの向上を図っています。このアプリは、オンラインとオフラインを融合させるOMOの新しいモデルを構築するための基盤となります。特にスタッフ自身がブランドのアンバサダーとして活躍することで、SNSでの活発なコミュニケーションを促進し、彼らの貢献を正当に評価する仕組みも整えています。
その結果として、ベトナムのアパレル業界が抱える高い離職率の課題にも新たなアプローチを提供することが期待されています。特に、STAFF STARTは他の企業が採用していない独自の取り組みであり、先行者利益を生かしながら、未来のデジタル接客体験の基盤を築いていく狙いがあります。
新しいショッピング体験の提供
STAFF STARTは、店舗スタッフによるスタイリングやレビューを自社ECやSNSに投稿できる機能を持ち、このオンライン接客機能により、顧客ひとりひとりに寄り添った体験が可能になります。このダイナミックな接客は、店舗とECの幕を取り払う「オムニチャネル接客」を実現し、顧客との関係をより密接にします。
また、3,000以上のブランドに利用されているこのサービスは、アパレルに限らず多種多様な業種で拡大中です。その影響力は大きく、流通経由の売上は、実に2,091億円を達成しています。
ELISEの未来
ELISEの担当者もこの取り組みに期待を寄せており、「楽しみながら自発的に参加するスタッフがブランドを盛り上げる」と述べています。企業として、「常に新しい挑戦をし続けるブランド」としてマーケットリーダーの地位をより強固なものにしていく意図が見受けられます。
このように、ELISEは新たな顧客体験の創出を目指し、デジタルとリアルを融合させた新しいアプローチを進めていくことで、今後もベトナムのアパレル市場の先頭を走り続けることでしょう。この革新的な試みは、将来的には日本の成功事例に追いつき、さらには追い越していくことを目指しています。