新しい咀嚼シミュレーターが可能にする『口どけ感』の可視化

新たなる食品評価技術の進化

株式会社J-オイルミルズが、大阪大学との共同研究により開発した新しい咀嚼シミュレーターが、食品評価の新たな可能性を広げています。この装置は、食べ物の咀嚼過程を忠実に再現し、特にクッキーなどの「口どけ感」を明確に見える化する機能を追加しました。

咀嚼の科学的評価へ

これまで、咀嚼に関する評価は人の感覚に頼りがちでしたが、これに対して新たに液体を加える機能を持った咀嚼シミュレーターが登場。ヒトの咀嚼過程を4つの工程（噛む、すりつぶす、混ぜ合わせる、整える）で分析し、特に「整えてまとめる」段階を再現することで、クッキーの口の中での変化を実物に近い状態で評価可能にしたのです。これによって、従来ではわかりにくかった経時的な口どけ感の変化をデータとして抽出することが実現しました。

食品開発におけるギャップを埋める

従来の機械的評価では、咀嚼初期段階の硬さや弾力を測定するのみで、咀嚼中後期における食感を正確に評価することは難しいとされていました。新しいシミュレーターは、これに対する革新的な解決策を提供し、様々な食品の食感を定量的に見極める道を開いています。これにより、製品開発には欠かせない重要なデータが得られ、自社製品の品質向上や新たなテクスチャー素材の開発へとつながることが期待されています。