国際宇宙ステーションに届けられる青果物のこだわりと厳格な品質管理
宇宙の高度な環境でも、新鮮で美味しい食材が求められています。そこで注目を集めるのが、株式会社ファーマインドです。この企業は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との協力のもと、国際宇宙ステーション(ISS)に届ける青果物の厳密な除菌と梱包を行っています。これは、長期的な宇宙滞在によるストレスを軽減し、宇宙飛行士の健康を支えるための大切な取り組みです。
 青果物の除菌プロセス
ファーマインドの福岡センターでは、それぞれの青果物をクリーンルームに相当する環境下で処理しています。具体的には、野菜や果物の表面に付着している微生物や埃を取り除くため、次亜塩素酸水を使用します。この水は、pHを適切に調整することで、非常に高い殺菌力を持つものとなります。JAXAの基準によれば、食品1gあたりの一般生菌数は1万CFU以下が求められます。この厳しい基準をクリアするため、ファーマインドは万全の体制で作業を行っています。
 繊細な梱包技術
宇宙への輸送という特殊な状況の中で、青果物の梱包にも多くの工夫が必要です。ロケット打上げ時の加速度や限られたスペースに対処するため、果物が押しつぶされないように注意が必要です。果汁が微小重力の環境で飛散することを避けるため、まずは吸湿紙を巻き、さらに鮮度保持フィルムを使用して青果物を守ります。このフィルムはエチレンガスを水とCO2に分解する機能も有しており、青果物の劣化を防ぎます。
それに加えて、果物を包む際にはフルーツネットと呼ばれる緩衝材を使用し、ジップ式のプラスチック袋で一つ一つを丁寧に包みます。もちろん、サイズごとに包装資材を調整することで、無駄を省く工夫もされているのです。
 「光選のふじ〈真の実〉」シリーズの魅力
その中で特に注目されるのが、「光選のりんご〈真の実〉」シリーズです。このシリーズでは、葉を取り除かない「葉とらず栽培」を取り入れ、甘く美味しいりんごを育てています。また、収穫後24時間以内に冷蔵貯蔵庫に入れることで、鮮度を保つコールドチェーンを実現しています。
今回、ISSに届けられる青果物の中には、この「光選のふじ〈真の実〉」も含まれています。宇宙飛行士が味わう新鮮な青果物として、一つ一つが厳重に選別され、徹底した品質管理のもとで梱包されています。
 企業理念と今後の展望
ファーマインドは「生産者と消費者を繋ぐ」という理念を持ち、青果物の流通における質の向上を図っています。また、国内外の青果流通の発展にも貢献していく姿勢を示しています。今後もこの取り組みを通じて、多くの人々に新鮮で美味しい青果物を届けることでしょう。
以上のように、ファーマインドの青果物は単なる食品ではなく、宇宙での医療的・心理的支援にも寄与しています。私たちの食生活が宇宙でも豊かになるように、今後も様々な挑戦が続いていくことでしょう。
 
 
 
