美容とアートが創造する特別な体験
2023年7月、大阪・関西万博で行われた『世界のMUSASHI個展』の一環として、TONI&GUYジャパンの雑賀英敏さんとアーティストMUSASHIの共同によるヘアショーとライブアートパフォーマンスが開催され、多くの観客を魅了しました。約150の企業や著名人が参加したこの個展では、MUSASHIとのコラボレーション作品が100点以上展示され、美容とアートが交差する貴重な機会となりました。
ヘアショーの圧巻のステージ
このヘアショーでは、雑賀さんが手がける特製ウィッグが主役となりました。その大きさとデザインの独創性に観客は圧倒され、まるでオブジェのようなウィッグは、アート作品としての一面も持ち合わせています。モデルが装着したウィッグは、両サイドからアシスタントが支えないと持ちきれないほどの大きさで、雑賀さんはその場でヘアカットを行い、撮影した写真にMUSASHIがペイントを加えるというライブアートが展開されました。
このようなパフォーマンスは、業界で名高い髪のアーティスト雑賀さんと著名なカメラマン松山優介さん、そしてアーティストMUSASHIによる共同作業によって実現されました。観客はその瞬間を楽しみ、アートがどのように生まれるのかを目の当たりにしました。
背景にあるインスピレーション
雑賀さんはMUSASHIとの初対面時、「雷に打たれたような衝撃」を受けたと語ります。それまでMUSASHIについて知らなかった雑賀さんは、その独自の作品群を見た瞬間に、アートに対する自らのアプローチを見直すことになったとのこと。特に作品『on!off!』にインスパイアされ、ひとつのウィッグのデザインが生まれました。
このウィッグは、多数の顔が付いており、私たちが持つさまざまな表情やアイデンティティを象徴しています。「人はそれぞれ異なる顔を見せる生き物だ」という考えのもと、雑賀さんは観客にその魅力を伝えようとしました。
彼はさらに、京都の三十三間堂を訪れ千手観音像を見て、作品のイメージをさらに深化させました。
サステナブルなアートの形
このショーで使用されたウィッグは、余剰の練習用カットウィッグや廃棄予定のものから再利用されたもので、アートに新たな命を吹き込む試みとして評価されました。また、雑賀さんの衣装もペットボトルから作られた素材を使っており、サステイナブルな社会への意識が反映されています。
雑賀さんは、これらの活動が「美容師がクリエイティブなことをやる意義」に対するひとつの答えになると感じています。万博という大きな舞台でこのようなチャレンジを行うことで、美容とアートの新しい関係性を示すことができたと自信を持っています。
結び
今回のヘアショーは、ただのパフォーマンスに留まらず、観客に新しい価値観や美的感覚を提供しました。今後も美容とアートがどのように融合していくのか、大いに期待が高まります。私たちがこれからどのようにこの関係性を楽しむことができるのか、ぜひ注目していてください。