和菓子で織りなす地域活性化の物語
和菓子の創造力で資源を活かす
愛知県東三河地区に根ざした老舗和菓子店、株式会社お亀堂は、地域に眠る“もったいない”資源を活かす、新たな和菓子的価値を創造しています。地元で生産された規格外品や未利用の食品資源を用いた“サステナブル和菓子プロジェクト”は、2023年の和菓子の日に発表されました。この取り組みは、単なる商品の開発に留まらず、地域の未来を築くための重要な一歩です。
地元農産物の価値を引き出す
東三河地域は国産の野菜や果物を多く生産していますが、形が不揃いだったり傷があったりするだけで多くが市場に出回ることができず廃棄されています。お亀堂はこれらの“困りごと”を踏まえ、和菓子職人の技術を駆使して、これらの素材の新たな美味しさに変えることに成功しました。
たとえば、通常は流通しない規格外のサツマイモを生かした「鬼まんじゅう」。この地域独特の郷土菓子は、ゴロゴロとした食感と自然な甘みが特長で、多くの人々に親しまれています。
また、傷のあるイチジクを使用した「イチジクガレット」や「ゼリー」は、果肉をたっぷり活かして新しいイチジクスイーツとして人気。さらには、流通困難な小粒イチゴを大胆に丸ごと包んだ「生イチゴミルクごろごろ爆弾大福」も、多くの話題を集めました。これらの製品には、廃棄されるはずだった素材が、今では地域の名物として蘇った姿が映し出されています。
地域企業とのコラボレーション
そして2024年の春には、地元の佃煮店とともに新たな試みとして特製の「みたらし団子」が誕生します。これは、佃煮製造時に生まれる旨味調味液を活用したもので、この調味液は通常なら廃棄されるところですが、そこに凝縮された昆布や醤油の旨味を使うことで、まったく新しい味わいへと昇華させました。お亀堂の挑戦は、単なるコラボレーションを超えて地域の企業や文化をつなぎ、共に新しい価値を生み出す仕組みに進化しています。
和菓子文化とサステナビリティ
和菓子は古来より自然とともに生きる知恵を基にしています。季節ごとの素材を大切にし、余った食材を工夫して利用し、職人の技術で美味しさを維持する、そうしたものづくりの精神が根付いています。お亀堂では、保存料や殺菌剤を極力使わず、素材本来の良さを際立たせる和菓子作りを続けています。
和菓子の日を機に、地域とのつながりを考える
6月16日は「和菓子の日」。この日を通じて私たちが願うのは、地域の生命を後世に繋ぐことです。捨てられる運命にあった素材に新しい命を吹き込み、地域企業同士が手を取り合うことで出来た素晴らしい商品たちは、地域を元気にし、たくさんの笑顔を生み出しています。お亀堂は、和菓子を通じて地域社会を支える役割を果たし続け、新たな挑戦をこれからも続けてまいります。
お亀堂について
株式会社お亀堂は、愛知県豊橋市に本社を置く老舗和菓子屋です。創業75年を超え、地元の優れた農産物を使用した引き算の美学を基に、地域の人々に愛される商品を生み出しています。これからも「和菓子で地域を元気にする」という理念のもと、新しい挑戦を続けます。