第23回『このミス』大賞文庫グランプリ受賞作が話題！

文庫グランプリ受賞作品が登場！

最近、文庫ミステリーのジャンルで話題を呼んでいる作品がある。それが、松下龍之介の『一次元の挿し木』だ。2025年2月5日に発売され、たった3か月で30万部を突破するという驚異的な記録を達成した本作。この成功の背景には、物語の魅力や著者の経歴など、見逃せない要素が詰まっている。

あらすじ

『一次元の挿し木』は、ヒマラヤ山中で発見された200年前の人骨がきっかけで始まる衝撃のストーリー。大学院で遺伝人類学を学ぶ主人公の悠は、DNA鑑定を行い、それが失踪した妹のものであることを突き止める。しかし、その途端、彼の周囲で不穏な事件が続発する。担当の教授が殺害され、研究室から古人骨が盗まれる事態に発展し、悠は妹の生死とその背後にある真実を探すために奔走する。

この物語は、ミステリーの要素が盛り込まれているだけでなく、家族や愛情、そして喪失感への深い考察が光る。悠の苦悩や成長が、読者の心に響くこと必至だ。

著者紹介

松下龍之介は、1991年に東京都江戸川区で生まれ、現在は機械システム事業に従事している。千葉工業大学大学院を修了し、高圧ポンプの設計などに携わる中で、自らの創作活動を続けてきた。工学の知識を基にした緻密な科学的視点は、本作にも色濃く反映されている。彼が描く作品は、意外な展開や深いテーマ性が特徴で、多くの読者を引きつけてやまない。

なぜヒットしたのか

『一次元の挿し木』がこれほどのヒットを記録した理由は、ストーリーの緻密さと、読者を惹きつけるテンポの良さにある。また、松下氏の独自の視点がもたらす新たなミステリー体験も、彼の作品を特別なものにしている。

同じく話題の『謎の香りはパン屋から』や『どうせそろそろ死ぬんだし』と並び、松下の作品は新たな代表作として位置づけられること間違いなし。読者はこの新星の成長に期待を寄せ、さらなる作品にも注目せざるを得ないだろう。