はじめに
今日、多くの人が「ミスコン」と聞くと思い浮かべるのは、美しさや勝敗が際立つ場面かもしれません。しかし、私自身がミスコンに15年以上関わる中で目の当たりにしたのは、まったく違った側面です。美しさを競うだけではなく、自身を見失うこともある場所だと感じています。実際、エントリーする女性たちは、自信を持てないままで参加するケースが多いのです。
自信を持てない出場者たち
私が関与してきたミスコンでは、出場者の多くが参加前に口にする言葉があります。「自分は場違いかもしれません」、「選ばれる自信はありません」がその一例です。彼女たちが持つのは決して評価される自信ではなく、変わりたいという気持ち。これは「今の自分を変えたい」「外の世界での評価を体験したい」といった不安や不安定さを抱えている女性たちが集う場所であることを示しています。
評価がもたらすもの
ミスコンは順位や結果を伴うため、様々な感情が巻き起こります。喜びに浸る者もいれば、落選によって自己責任を感じる者もいます。このような瞬間を目の当たりにしながら、私は何度も「この場所は本当に人を幸せにしているのか?」と自問自答し続けてきました。
意外な現実
ある意味、不思議に思えるかもしれませんが、多くの女性がその後の人生を大きく進展させるのは、実は「選ばれなかった後」のことが多いのです。彼女たちはその経験を通じて、自分の強みを見いだし、人前で話すことへの恐れを克服し始めます。評価されることによって生まれる疑問が、彼女たちに未知の世界への一歩を踏み出させるることがあるのです。
選ばない勇気
プロデューサーとして、全員を肯定したいという気持ちもあります。しかし選ばないという決断は軽々しく正当化できないと考えています。評価は終着点ではなく、ある種の問いを残します。この問いが存在する限り、人は前進し続けることができるのです。
ミスコンを人生の編集装置に
私が熱望するのは、ミスコンをただの美の競争ではなく、女性たちが人生の次のステップへ進むための装置として再定義することです。勝者、敗者に関わらず、その経験が彼女たちにとっての力になることを願っています。
最終的に
ミスコンは完璧な人だけの舞台ではありません。迷いながらも立ち上がろうとする人々のための場所です。これからも私は、女性たちの未来に責任を持つプロデューサーでありたいと願っています。
発信者プロフィール
内田洋貴(うちだ・ひろき)は、ミスコンプロデューサー及び文化編集者であり、女性の人生設計を支援しています。ミスユニバースジャパンやベストオブミスの運営に関わり、文化と個人の関係性について新たな視点を発信し続けています。