再生可能エネルギーの未来を拓く、カゴメの新たな挑戦「上げDR」
カゴメ株式会社が、太陽光発電を活用した新たな取り組み「上げDemand Response」(上げDR)を2025年4月から開始します。このイニシアティブは、再生可能エネルギーのより広範な利用を促進することを目的としており、特に太陽光発電の供給過多が懸念される時間帯に、電気の使用を増やすことで、市場の需要と供給のバランスを保つことを目指しています。
太陽光発電が普及する中で、日中の電力供給は増加していますが、それに伴い供給過多による出力抑制も現実のものとなっています。この課題を解消するためには、電力の需給調整が不可欠です。「上げDR」は、供給量に合わせてユーザーが需要量を調整する手法であり、電力会社の要請を受けることで、必要な時間帯に電気使用量を増加させます。
カゴメの茨城工場では、株式会社グローバルエンジニアリングやReivalue株式会社との連携により「上げDR」を実施します。具体的には、冷却用のアイスビルダーを活用し、夜間に蓄熱していた電力使用を日中にシフトさせることで、電力需要の調整を行います。この調整により、昼間の電力使用量を約12%増加させることが可能になるのです。
この取り組みは、カゴメが持つ再生可能エネルギーの活用うちの一つであり、将来的には他の工場でも同様のシステムを展開する計画です。具体的には、蓄電池システムや冷凍機制御などの技術を駆使して、より効率的に電力の需給バランスを取る努力を続けていく予定です。
再生可能エネルギーの拡大と歩み
カゴメは、持続可能な社会の実現に向けて、2021年から国内3工場において太陽光発電パネルの設置を進め、各工場での電力供給を再生可能エネルギーに切り替えてきました。2022年には、小坂井工場で再生可能エネルギーを100%使用する体制を整え、2023年には富士見工場でも同様の措置を実施しました。これらの取り組みは、全体としてカゴメの持続可能な経営に寄与しています。
2024年には、富士見工場における蓄電池システムの導入が行われ、既存の太陽光発電設備の最大稼働を実現しました。さらには、新たに太陽光パネルの設置も計画されており、より多くの再生可能エネルギーを活用する体制が整いつつあります。
期待される効果と未来のビジョン
「上げDR」の導入は、ただ電力量の調整だけにとどまらず、地域全体の電力供給の安定化にも寄与します。この取り組みを通じて、カゴメは持続可能な企業経営を実現し、将来的には他の企業とも連携しながら、より大規模な再生可能エネルギーの活用への道筋を描いていくことが期待されます。
まとめ
カゴメの「上げDR」は、環境に優しい社会の実現に向けた一歩となります。再生可能エネルギーの利用拡大は、今後の企業経営においてますます重要なテーマとなるでしょう。カゴメは今後も、環境配慮型の取り組みを進めていく姿勢を大切にし、持続可能な社会への貢献を続けていく考えです。